[1]裏道~国見尾根(周回)

23 国見岳 1165m(菰野町)

湯の山三岳の秀峰

国見岳雪景色(御在所岳より)
歩行時間  5:00  
総時間  7:00  
山行調査日 11/12/2
難易 B  安全  C  体力  C  展望  A
地形図  御在所山
問合先  菰野町役場
留意点  石門・ゆるぎ岩・天狗岩等見所が多い。藤内壁も
      好展望の名コース
国道306号を湯の山街道から北に折れると、すぐに家並みが途切れて、鈴鹿山脈の主峰が一斉に姿を現してくる。鋭峰の鎌ヶ岳から盟主御在所岳、そしてその北隣に、幾分低く寄り添う様に並び立つのが国見岳である。古くから湯の山三岳の一岳とされる山で、知名度は二に及ばずとも、その容姿風貌は並の山にはひけをとらない。ただ御在所岳に近すぎて損をしている感じで、鞍部の国見峠へ登る裏道をはじめ、多くの登山道を共有している様は、一つ屋根(山域)に住む夫婦山といった趣である。その国見岳を最初に登るなら、最もポピュラーで見所の多い、裏道から国見尾根の周回コースを歩いてみたい。但し御在所岳から国見岳にかけての山肌は、藤内壁の岩壁で知られる様に、花崗岩の岩塊が極めて多いので、随所に出てくる不安定な岩場や岩屑の乗越しには、十分注意が必要である。
湯の山街道からスカイラインの分岐を右に折れ5キロ程走り、蒼滝トンネルを抜けたすぐ左手の駐車場に車を置いて歩き始める。トンネルの中を歩いて戻り、出た所の左に付いた簡易舗装路へ入る。すぐ右手には湯の山バス停や東海自然歩道へ降る踏み跡が続いている。舗装路を過ぎると、岩壁や沢にかかった鉄網橋を5回程渡り、北谷の鉄橋を越えて山道となる。樹林の下を暫く歩いて日向小屋を過ぎ、橋を渡って谷の右岸に移ると、谷と離れて高巻道になるが、山腹の良い道が続いた後、石段を踏んで藤内小屋の敷地に入る。この小屋は、岩登りのゲレンデとして名高い藤内壁が近く、クライマー達でいつも賑っているそうである。小屋を過ぎると急に岩の散乱する道となる。『兎の耳』と呼ぶ奇岩の先から、橋を渡って谷の右に移った後、藤内壁に向う分岐を過ぎた辺りから、急登の岩道になる。所々で岩に阻まれて踏み跡が不明瞭になるが、岩に書かれた赤いペンキマークを目印に、注意しながら登るうちに、笹の茂る溝道となり、程なく大きな案内板の立つ国見峠に着く。小広い空地の峠で一息入れた後、右に折れて国見岳に向う(御在所岳は左折)深い笹に覆われた溝道が岩道に変ると、急に明るいガレ地に出る。固定ロープを掴んで岩を乗越えると、再びガレ地となるが、どちらもガレの右手には、藤内壁の荒々しい岩肌が、迫力のある景観を見せている。ガレ場を抜けて樹林の中に入ると、平坦で歩きやすい道となる。国見尾根の分岐を過ぎると、『石門』と書かれた分岐がある。寄道して左折するとすぐに、岩を重ねて門状になった奇岩に突当たる。分岐へ戻り左折して少し歩くと、大きな岩に占有された狭い山頂に着く。岩の上に立つと、北東の鈴鹿山地から伊勢平野、そして遠く乗鞍岳辺り迄の、雄大な展望を見せている。
山頂から戻り分岐から国見尾根を降る。平坦な樹林の道が岩道に変ると、右手に積重ねた巨岩が二つ並んでいる。天狗岩()とゆるぎ岩()の奇岩で、このコースの見所である。岩の間から藤内壁が迫り、登攀中のクライマーもよく見える場所である。その後道はヤセ尾根の急降下となり固定ロープや木の根を掴んで降るうちに、岳不動の分岐に出る。岳不動へ降りてもよいが、直進し裏道へ降る道をとる。細い山腹道が続くが踏み跡は明瞭で、最後にゴーロ状の岩場を降ると、藤内小屋の少し上の裏道に出る。