[2]柏原道(往復)

61 霊仙山 1084m(多賀町)

谷山 992m(多賀町)

鈴鹿山地屈指の名登山道

笹原の霊仙山山頂部

歩行時間  5:20  
総時間  7:30  
山行調査日 1/9/27
難易 B  安全  A  体力  C  展望  A
地形図  霊仙・彦根東
問合先  山東町役場
留意点  鈴鹿を代表するコース。但し長丁場。谷山は省略
      してもよい。

広い山域の山は必然的に登山道が多く、鈴鹿北端の名峰霊仙山も例外ではないが、十指を越える登山道の中で、『表登山道』と称される山東町柏原からの道は、長丁場ではあるが、良く整備され歩き易く、急登降も少なく安全で、道沿いの展望も多い。それに車と較べて、アプローチは長くなるが、交通機関も近く人気の高さと共に、鈴鹿山地屈指の名コースと言える登山道である。
国道21号の米原と関ヶ原の間に柏原がある。柏原駅を目標にすると、国道から奥まった所にあって少し解りにくいが、駅前を右に折れ、すぐ先で左折すると、あとは1本道の登山道となる。国道から車で入る時は、交差点右脇に掛けた『霊仙山登山道』の古い道標に注意して山側に折れる。交差点脇は柏原のバス停もある。名神高速を潜り右手に広い空地と、白い建物の養鶏場に出て、その左の植林下の林道を緩く登ると、正面に案内板の立つ分岐に着く。国道から2キロの距離で、左の地道に入り空地に車を置いて歩き始める。道を少し戻り、橋を渡って舗装された新しい登山道を山に向うと、堰堤の先から地道に変り、すぐに細い山道になる。沢を渡渉して山腹の谷沿い道を歩くうちに、両側の尾根が合流した1合目に着く。2本の古木と広い空地があり、一息入れるのに良い場所である。その先もほぼ等間隔で合目毎の標示があって行程の目安になる。尾根に乗った道は、緩やかな傾斜で道脇の笹も伐採され、遊歩道の様に広く快適に歩ける。3合目を過ぎると、良く踏まれた溝道の両側には桧の若木が並び、その間から周辺の展望が幕を引く様に現われてくる。少し急登をこなして、ピーク地点の4合目に着くと、コンテナ製の避難小屋がある。冬期専用なのか施錠してあった。4合目を過ぎると、幾里谷源頭を挟んで、幾重にも連なる山肌に、青く点々と植林の幼木が立並び、鈴鹿北部から養老山地の展望も拡がってくる。すぐ下には山腹に弧を描いて褐色の林道が走っている。6合目を過ぎると、一山越えて植林や二次林下の樹林帯に入り、7合目で梓河内道の分岐を過ぎると、路上に石灰岩が増えて鈴鹿北部の雰囲気が出てくる。途中に『ママコ穴』の標示があり、1分程上に登ると岩盤を深くえぐった穴がある。散在する石灰岩や岩屑に注意して低い尾根に乗ると、谷山に向う薄い踏み跡がある。薮を分けて往復20分程で行けるので、展望はないが三角点があり、興味のある人には苦にならない距離である。尾根を過ぎて降りになると、笹と潅木が深くなって足元を覆うので、踏み跡を外さない様に進むと、鞍部に出て漆ヶ滝道の分岐に着く。西出商会と記名した案内板を見ながら一息入れ、登りに変ると樹木が途切れて笹の海となり、周囲の展望が開けてくると程なく、倒壊したままの避難小屋に着く。笹原に映えた赤い屋根を偲びながら先へ出ると、芒洋とした山肌の起伏の向うに、経塚山と霊仙山の三角点と最高点が間近である。笹原を分けてピークを周回し、違った角度の展望を楽しみ、春秋には石灰岩の間から彩りを見せる花々にも会える。
来た道を戻って帰路につく。全体に明瞭な登山道と道標が整備されていて、地形図を拡げる所もないが、8合目付近の笹と潅木下の踏み跡と、7合目付近の岩屑の散乱箇所を注意し、それに長丁場なので陽の短い時期の時間配分に注意する。