--鈴鹿を歩く276(新ハイ・岩野氏忘年例会)

西山(A722.0m)                  平成191216()

礒部記(地形図:土山)

コース 小倉5:457:45蔵王ダム広場8:008:10専用ロッジ8:408:55平子峠→9:55西山②10:00→平子峠10:3510:50専用ロッジ14:2014:35グリム冒険の森管理事務所15:4017:00小倉

545分に家を出る。外はまだ暗く、宇治田原から信楽へと車を走らすと、空には星が瞬いていたのに、水口へ下る時には夜が明けて、雨まで降り出す。この日は「鈴鹿を歩く276」忘年山行西山、丸茅山の日で、岩野さんの例会には珍しくも、雨天決行となっている。「雨がキツイようなら、小屋で鍋の準備をしようか」と、思いながら車を走らせ、蔵王ダムまで来ると、辺りの山々はガスに隠され、雨がミゾレへと変わっていた

集合時間の8時には全員が集まる。この日の参加者は34名で、今年の締め括りの山行と言うこともあってか、何れも岩野さんの例会では顔馴染の方ばかりだった。案内では、ここから平子峠へ移動して、西山から丸茅山へ歩き、その後で専用ロッジで昼食忘年会をすることになっていたが、依然としてミゾレが降り続いており、参加者の気持ちも「こんなミゾレの日には歩きたくない」と言う方へ傾き、ロッジへ行ってから、「午後から天気は良くなる」という天気予報を信じて、その後の行動を決めることになった。

一時は昼食後に歩くことにして、ロッジで会場の準備を始めたが、空を見上げると、雲は流れ青空までも見えてくる。この時間ではお腹も空いてなく、食事前に歩こうと希望者が出てきて、西山だけへ登ることに決まった。岩野リーダー、後藤サブは行くことになったが、山田サブは鍋準備の指揮を取る為ロッジへ残る。結局、参加者は合計19名となる。残りの15名は鍋の準備を口実に動こうとしない。何時もは喜んで歩く筈の吹田、長岡京、宇治、向日市の彼女達の顔が無いのは、不思議な程だった。

車に乗り合わせ移動。平子峠の携帯アンテナ前の広場へ駐車する。以前は、この奥から山へ入ったが、今回は車道を南へ歩き、道カーブ手前から林道を西へ入る。緩く登って、最初の道分岐を左へ取ると、道にはウッスラと雪が積もっている。ミゾレは降り止んでいたが、時折、木の上から水滴が落ちてくる。林道を100mも歩いて右手へ登ると、送電線が折れ曲がった鉄塔。そこから桧林の中の林道を南へ歩いて、浅い谷を越えた所から、右手の桧林の斜面に取付く。7年前に西山へ登った時には、送電線鉄塔から直接尾根に取付いたが、今回は、西山標高722.0mで、点名は「瀬音村」で、二等三角点である。地表から5cm程しか頭を出していなかったが、標石はシッカリと磁石の北を向いていた。東方には木が数本あるだけで、展望を妨げないが、この日はガスが濃く、何にも見えなかった。白の中、ただただ、北方間近にある綿向山や水無山、すぐ目の前にある政子、その右後ろに雨乞岳、御在所岳、勇壮な鎌ヶ岳、水沢岳などが連なる姿を想像するしかなかった。

山頂では寒く、展望も無かったので、写真を撮るとすぐに下り出す。先頭は最初から丸茅山へは行くつもりは無いようで、鞍部から登ってきた斜面を下って行く。下りは早く、車道へ出ないで、道をカットしたこともあり、35分で車へと戻った。先に下った二人は、雨と風を避けて、小さな橋の下で待っていた。

11時前にロッジへ戻ると、山へ登らなかった人達が鍋の準備をして待っていてくれた。誰が持ってきたのか机まであり、各自が自慢の鍋が4か所にセットされ、いため物、焼き物の準備も出来ている。狭い部屋へ、隙間も無い程に座り込み、岩野さんの乾杯の音頭で宴が始まる。厚かましくも、と箸を持って、アチコチのブタ汁、ウドン鍋その他の鍋の味見をし、熱々の焼き鳥、イカ焼きを食べる。最初の乾杯ではビールだったが、見ると稲沢市の池田さんからの差し入れだという「越の寒梅」を初め、美味そうな酒の一升瓶やワインが見えている。車を運転する身では飲む訳にはいかず、それを横目で見ながら、せめて香りだけを嗅いで、ノンアルコールビールを飲むしかなかった。その後も廻ってきたイカ飯やコンニャク、柿の葉寿司を摘んでいると、腹が一杯になってしまう。

宴の途中で、岩野さんから「新ハイキング関西」の経営事情の説明があり、来年からの新ハイ誌の単価値上げ、新ハイ運営費の新たな徴収の理解と協力をお願いされた。その後は、岩野さんの歌に始まり、皆が若かりし頃に親しんだ歌を合唱して会を盛り上げる。例年なら、忘年山行には「あの歌」を出すのだが、せっかく皆が若者に帰って気分よく歌っているのに、ムードを壊すことはないと、今回は静観する。最後に、腹の隙間に汁粉を入れ、何時もの甚目寺町の彼のコーヒーで締めくくり、宴は1420分にお開きとなった。

帰路、別れるのに未練の残った20名が、グリム冒険の森管理事務所の会議室に上がり込んで、コーヒーを飲みながら「鈴鹿を歩く300回」に向けコースの要望を話し合い、1540分、来年の佳き年を願って散開となる。

竜王インターから名神へ乗り、西宇治インターを出たのは1655分。もう5分、どこかのサービスエリアで過ごせば良かったと、悔やまれてならなかった。