五十名山

藪谷林道から西南尾根・薮谷(岐阜県大垣市石津町)

28 ソノド926m

存在感のある霊仙山の衛星峰

ソノド()と幾里山
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登山口→山道→下山口
難易度 B D
安全度 B D
体力度 B C
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霊仙山の東から派生する尾根が谷山の先で分岐して、一方が県境稜線となって横根山から三国岳へ通じ、もう一方が藪谷を挟んで上石津町の時山方向へ南下している、この尾根の中ほどで形良く盛り上がる峰がソノドで、秀逸な二次林の尾根や、北隣の幾里山周辺の大展望など、存在感の大きさでは鈴鹿北部指折りの秀峰といえる。ただ山深いうえに地形が厳しいので一般向きの登山道は少ない。

ソノドへ人里から歩く場合は、時山から尾根を直登したり、霊仙山の柏原道から藪谷峠越えで行く方法がよくとられるが、いずれも長丁場になる。それに対して車の使用が条件になるが、藪谷林道からソノドへ登り、幾里山の尾根から藪谷を戻る周回コースが、手ごろな時間と周回で歩けるので人気が高い。今回もそのコースを歩いたが、ソノドから幾里山までは無難に歩けるが、谷は立派な道標はあるが廃道寸前の状況で、一般向きには少し危険。従って大勢で歩くなら幾里山から尾根を戻るのが賢明策だと思う。国道から時山へ向かい、細い集落を抜けた藪谷橋の手前で、右手の急な傾斜道に入る。道はすぐに植林下になり、谷沿いの荒れた地道を三キロほど走ると、堰堤前で林道終点となり、脇の空き地に駐車して歩き始める。少し戻った支谷が往路の取付きで、谷沿いをルート読みしながら、渡渉を繰り返して遡行していく。やがて谷沿いにワサビ田跡の石積みが現れた所で、直進する道(サブルート)もあるが、石積みの間から右へ移り、谷沿いから離れて山腹を急登して尾根に乗り、雑木の下を緩く登ってソノドに着く。木立で展望のない山頂(三角点)から少し右へ寄ると、笹越しに東の展望が開く反射板跡地がある。

◆大展望の拡がる幾里山

山頂から幾里山へ向かうと、二次林下の尾根に解りやすい踏み跡や溝道が続いている。幾里山手前の台地に出ると広大な伐採地が現れ、霊仙山方向の展望が開いてくる。以前は「鹿遊び」と呼ばれて二次林の雰囲気が良かった幾里山も、同様に伐採されて展望と見通しのよい山頂に変わっている。

帰路は藪谷を戻る周回で、幾里山の先で細い尾根に曲がるとすぐに林道に出る。この林道は周辺の伐採と植林のために造成されたもので、展望の良くなった半面で藪谷峠付近の地形が変わってどこが峠か解らなくなり、手掛かりの雑木が消えて藪谷の源頭へも下りにくくなった。それでも立木のある緩斜面を選び何とか源頭の谷の二股に着き、道標の立つ踏み跡を渡渉しながら下流に向かう。中ほどの藪谷滝は、見落とさずに手前で高巻き道へ入る。滝の下流に出ると窯跡の残る高巻き道が断続的に現れるが、来るたびに山腹道が細くなる感じで怖くなる。急崖の山腹道を慎重に通過すると、やがて谷幅が拡がり広い河原から堰堤前に出て駐車地へ戻る。

なお藪谷の渡渉はすべて転石を踏んで渡るので、大雨の後などは渡りにくいので要注意。なお藪谷林道は土砂崩れによる堰堤工事が行われていて、途中に駐車して林道終点まで歩いたが、改修後は以前通りに終点まで車が入れると思う。

【アプローチ】

□車・藤原分岐北の分岐Gから10キロで登山口(藪谷林道終点)

■交通・上石津町時からバス便なし。タクシー利用。