五十名山

油日林道から櫟野林道[滋賀県甲賀市〕

25 那須ヶ原山(なすがはらやま)800m

26 油日岳(あぶらひだけ)696m

県境縦走コース。固定ロープも設置

油日岳(岳大明神祀)
登山口→山道→下山口
難易度 C C
安全度 C B
体力度 D B
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坂下峠から再び高度を上げる鈴鹿山地南端の県境稜線は、那須ヶ原山と油日岳の二峰を起こし余野高原に下って終わりとなる。

那須ヶ原山はこの山域では高度、山容ともに卓越した主峰で、油日岳は県境南端を締めくくる山として存在感が大きい。山頂には那須ヶ原神社を祀る那須ヶ原山、油日神社の御神体として岳大明神を祀る油日岳と、共に甲賀町里人の信仰篤い山でもある。

那須ヶ原山と油日岳は、共に鈴鹿山地の南端部を代表する秀峰で、中間の三国岳を挟んで県境縦走路が行き交い、また登山道や参詣道もあってハイカー人気が高い。

今回紹介するコースは、油日林道から油日岳、そして県境路をつないで那須ヶ原山から櫟林道へ戻るもので、置き車せずに周回ができる。ただし櫟野ダムから油日林道への横断と、那須ヶ原山からダムに下る二カ所のルートは明瞭な登山道がなく、三国岳周辺は岩尾根や崩壊地も多いので、相当な難路である。大原ダム口から油日神社方向へ、県道を少し走った櫟野集落で南へ折れて櫟野ダムへ向かい、ダム脇の駐車地から歩き始める。少し戻った小屋の建つ分岐で、林道へ入らずに堰堤の並ぶ地道へ入り、最奥の堰堤の先で右手の尾根に取り付く。高所へ登った小ピークから、右手の笹を分けて展望の良い所へ出て、左折すると油日林道が見えてくる。林道へ出て左折し林道終点から階段を登ると、そのまま山道に合流する。谷沿いから稜線に出て右折すると、すぐに岳大明神の祠が立つ油日岳の山頂に着く。

●裏参道の薄い踏み跡に注意

来た道を戻って分岐を直進すると、急に笹が深くなるが、明瞭な踏み跡のある県境稜線になる。崩壊や倒木で歩きにくいが、分岐を右へ回り込むとガレ上端の展望地に出る。さらにピークに出て左折し、鞍部へ急降下した後、今度は岩角と木の根をつかんで急登すると、樹林下で展望のない三国岳に出る。山頂から東の稜線は、ガレの多いヤセ尾根が続いて急な登降の繰り返しになる。岩肌を急降下する難所には、一部には固定ロープもあるが、携行ロープも用意しておくと安心である。ヤセた岩尾根が、徐々に笹や灌木下の踏み跡に変わり、分岐に出て左折するとすぐに那須ヶ原山に着く。

神社の石室と避難小屋の建つ山頂から、北の登山道に下るとすぐに「櫟野砂防ダム」の道標が出て、直進する表参道を離れて植林下の山腹へ下る。裏参道と呼ばれる道も、植林を伐採した所から土砂崩れで踏み跡が消えるが、右手の尾根に樹林が盛り上がる所を目印にして、谷地から尾根に寄っていくと、薄い踏み跡が現れて古い登山道に合流し、谷沿いに出て堰堤の先から櫟野林道になる。少し長いが谷沿いの林道を一歩きして駐車地へ戻る。

【アプローチ】

□車・鈴鹿峠から水口分岐へ44キロ、分岐しから分岐Yを経由し87キロで登山口駐車地。交通JR草津線甲賀駅から櫟野上野バス停、徒歩30分。

【その他の登山道】

◇那須ヶ原山表参道(大原ダム口分岐Yから参道橋)