五十名山

鈴鹿峠道から長峰尾根〔三重県亀山市〕

24 高畑山(たかはたやま)773m

快適な県境稜線を歩く

高畑山(長峰尾根から)
登山口→山道→下山口
難易度 B D
安全度 C C
体力度 B C
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鈴鹿峠を南へ越えると、再び高度を上げる県境稜線最初の山で、小さく分離する双耳峰の西峰は、鈴鹿山地では数少ない大展望が開いている。稜線途中のナイフリッジとキレットを慎重に通過すると、溝干山にかけて快適な縦走路が続いている。

なお、鈴鹿峠から坂下峠にかけての県境縦走路は、南鈴鹿で冬期の積雪量が少なく歩きやすいので樹氷見学で訪れる人が多い。

鈴鹿山地では四周に大展望の開く山はわずかで、高畑山はその数少ない山の一つ。鈴鹿峠から快適な登山道もあってハイカー人気が高い。

それに鈴鹿峠と高畑山の往復だけでなく、県境稜線を西へたどると、溝干山から坂下峠へ下って林道を戻る楽なルートがあり、健脚向きには、今回紹介する長峰尾根からの周回も、さらに充実した山歩きになる。ただしこの場合は、長峰尾根を先に歩く方がルートは読みやすいと思う。

鈴鹿峠と高畑山の往復だけなら、万人講常夜灯近くに駐車地もあるが、長峰尾根を周回するときは、坂下の旧東海道入口付近に駐車して歩き始める。国道沿いを少し歩き、片山神社の標柱から山間に入り、神社から右に折れて国道脇の小広場に出る。

この道は東海自然歩道になっていて、広場から古い山道を登って鈴鹿峠に出る。植林下で道標を見て左折すると高畑山へ向かう県境の登山道で(時間があれば入口近くの名所「鏡岩」へ立ち寄る)、植林下からすぐに尾根道になるが、分岐には道標があって歩きやすい。やがて急登になって最初のピークを過ぎると、砂質のヤセ尾根から行く手に立ち塞がるキレットに出て、固定ロープで越え、笹と灌木の緩いアップダウンを抜けると、狭いが明るく開放的な高畑山(西峰)に着く。

●坂下峠から長峰尾根へ。林道も戻れる

四周に展望の拡がる山頂から、ザレ地を過ぎて岩塊を左から下ると、西の溝干山に向かって笹と灌木の間から展望の開く、県境稜線のよく踏まれた快適な縦走路になる。アップダウンしながら溝干山のピークを二つ過ぎ、急な斜面を右のガレに注意しながら下って、溝状に掘れた坂下峠に出る。

坂下峠から林道をとれば一時間ほどで駐車地に戻るが、長峰尾根を帰路にとる場合は、那須ヶ原山へ向かう県境稜線に入り、灌木下からガレ尾根に出て、左の谷地が雑木で塞がった所で、テープ目印を見て登山道を離れて薄い踏み跡へ入る。

小さなピークで左折すると長峰尾根につながる山腹で、展望の開く草地で谷へ下らないように注意して東の尾根に乗ると、岩尾根や藪尾根になるが解りやすい尾根筋になる。笹藪を抜けると「一里山」の山頂で、植林と二次林の境になった良い尾根道に変わり、広範に伐採されて展望の開く南側の景観を眺めるうちに、植林に覆われた長峰に着く。来た道を少し戻り、すぐに右手の踏み跡へ入ると、自然に北向きの尾根に乗り、広い作業道から国道に出る。通行する車に注意して道を横切り、尾根状の山林を下って墓地の横から橋を渡り、もう一度国道に出て右折すると駐車地までわずかである。

【アプローチ】22四方草山と同じ

【その他の登山道】

◇熊野神社から宮の谷林道と北尾根