五十名山

仙ヶ谷から野登山一ノ谷[三重県鈴鹿市〕

19 仙ヶ岳(せんがたけ)961m

20 野登山(ののぼりやま)851m

小岐須渓谷から双耳峰の秀峰と野登寺の山

仙ヶ岳()と鉄塔の立つ野登山
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登山口→山道→下山口
難易度 C D
安全度 B D
体力度 B D
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南鈴鹿の主峰仙ヶ岳と野登山が、県境稜線から東へ派生する尾根をつないで立ち並んでいる。特徴のある双耳峰で「鈴鹿の鹿島槍ヶ岳」と称されて人気が高い仙ヶ岳。十世紀に山頂直下に野登寺が開基され、今もブナや杉の原生林とともに残る野登山。共に鈴鹿を代表する名山と由緒ある歴史の山である。

双耳峰の仙ヶ岳は、県境稜線上の西峰を仙ヶ岳と呼び、東峰は山頂の岩名から仙の石と呼ばれているが、昔の呼称は、東峰が仙ヶ岳西峰は奥仙ヶ岳であった。それは野登山に野登寺が開基された後、修験道の行場として仙ヶ岳が奥駆け道であった、と言われれば理解できるし、そのような修業僧の往来した尾根(仙鶏尾根)を歩くのも往時を偲ぶよすがになる。

そこで鈴鹿の名山に選定した仙ヶ岳と野登山を組み合わせて、小岐須渓谷から周回した。

厳しい登降もあるが、全体に登山道として整備されて歩きやすく見どころも多い。

小岐須渓谷へ入り、下山口の払塚駐車場へ置き車をして、大石橋の駐車場から歩き始める。地道の林道を終点まで歩き、ガレ谷を渡ると仙ヶ谷沿いの山道になる。明瞭な踏み跡と、道標やテープ目印があって解りやすい道で、アライ谷分岐を過ぎ、幾度か小谷を渡り返し、最後に植林下を急登して小社峠に出る。県境稜線を左折すると短い急登は続くが、笹尾根になると周囲の展望が開き、登り詰め好展望の仙ヶ岳山頂に着く。続いて笹の切開きを東へ下り、白谷分岐のある鞍部から登り返して、こちらも好展望の仙の石が立つ東峰に出る。

●仙鶏尾根から野登山へ

道標を確かめて岩の間から仙鶏尾根を下る。

岩尾根や道は急降下になると固定ロープが付き、尾根分岐や要所には道標やテープ目印がある。小岐須渓谷へ下る分岐を過ぎると、岩のからむヤセ尾根が多くなり、登降を繰り返して野登山の山腹を巻く電波塔用の車道へ飛び出る。

野登寺へは車道を横切っても行けるが、解りやすく車道を少し右手へ下り、分岐から参道を歩いて野登寺へ着く。台風禍で倒壊した堂宇も近ごろ改装されて新しくなり、寺を参詣後少し戻って左の山道から、野登山(三角点)と国見石を経て国見広場に着く。

広い草地で好展望の広場から、道標を見て草を分けて右へ下る。ネット沿いからネットを潜り、広い平坦の二次林下を抜けると、岩の多い笹尾根を下った鞍部で、分岐のマドに出る。左折して一ノ谷へ下ると、道は谷芯から谷沿いになり、表示やテープ目印を見ながら渡渉を繰り返すうちに、鎖と固定ロープのある岩壁に出る。ここを慎重に過ぎると、道は谷を離れて、本流の鉄橋を渡って置き車のある駐車場に着く。国見広場からの一ノ谷道は、笹が切り開かれ道標(ポイント表示)も立ち、整備されて短時間で歩きやすくなった。

【アプローチ】98入道ヶ岳と同じ

【その他の登山道】

◇仙ヶ岳・石水渓から白谷道と南尾根(2ルート)◇野登山・安坂山町坂本から表参道