五十名山

ヤケギ谷からカワラコバ道〔三重県鈴鹿市〕

18宮指路岳(くしろだけ)946m

ハイカー好みの展望の良さと歩きやすさ

景勝地の馬乗りにて
登山口→山道→下山口
難易度 B C
安全度 B C
体力度 B C
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日本コバと似てどこが山頂かよく解らない台形の山。代表コースの小岐須渓谷からの道は、東海展望、三体仏岩、馬乗り岩など、展望の良さでは近隣の仙ヶ岳や入道ヶ岳にもひけをとらない。県境稜線や土山町の大河原からも歩けるが一般向きではない。

県境稜線を鎌ヶ岳や水沢岳あたりから南へ出ると、「南鈴鹿」と呼ばれる山域になって高度も徐々に低くなる。その南鈴鹿をさらに鈴鹿峠で分けた北側では、最初に仙ヶ岳の名が思い浮かぶが、北に隣接する宮指路岳も、展望の良さと歩きやすさで、仙ヶ岳以上に、ハイカー好みの山と言える。

宮指路岳を代表するルートがヤケギ谷道とカワラコバ道で、二つの道を周回して同じ登山口へ戻る都合の良いコース設定ができるうえに、小岐須渓谷の大石橋まで車を入れると、山深い割には短時間で歩けるので、滋賀県側の高円山へ立ち寄っても陽の長い季節なら楽に歩ける。

小岐須渓谷からさらに奥へ走り、大石橋を過ぎた所の駐車地から歩き始める。少し戻った分岐から林道へ入り、堰堤の現れた所で左折して谷沿いに出て、支谷を過ぎた先で渡渉して山腹を少し歩き、道標の立つ分岐を左折すると往路のヤケギ谷道になる。

山腹から谷へ下り、支谷が入り込む所で本流を離れ、渡り返しながら山道に入る。ヤケギ谷北側の尾根を、幾つかの小谷を横切りながらジグザグと登り、再び下って本流に出る。出た所で道標を見て渡渉し、溝道から山腹へ折れて尾根に乗ると、すぐに展望の良い東海展望(岩場)へ着く。ピークの先にも景勝地(三体仏岩)があり、三体山とも宮指路岳東とも呼ばれる山塊を下って登り返すと、県境に出た所で宮指路岳の山頂に着く。

●シャクナゲ群生の高円山を往復

展望のない山頂から少し北へ出ると、馬乗り岩や山頂台地突端の好展望地があり、山頂部から北へ急降下すると小岐須峠に出る。ここを右折するとカワラコバ道になるが、時間に余裕があれば近くの髙円山へ立ち寄ることも可能で、明瞭な山道から車道に出て、電波塔近くで道標を見て樹林に入ると、尾根道が続いてシャクナゲが群生する高円山に着く。ただし数カ所でガレの崩壊が尾根を削っているので、慎重に通過して来た道を戻り、小岐須峠からカワラコバ道を帰路にとる。

県境の峠から東へ下ると、岩の散乱する溝道の急降下となって水流のある谷へ出て、幾度か渡渉しながら下るうちに、岩が散乱するが二次林下で、平坦地の拡がる所がカワラコバと呼ばれる場所で、その先で谷を離れて山腹の高巻き道になる。ただし小峠と呼ばれる尾根までの間は、幾カ所もガレの崩壊地があって、一部には鎖場もあるが慎重な通過が必要である。

小峠を過ぎると安定した溝道に変わってヤケギ谷支流の谷沿いになり、一歩きで往路で分けた分岐に出て駐車地へ戻る。なお堰堤横から車道へ出る山道もある。

【アプローチ】99入道ヶ岳と同じ

【その他の登山道】

◇小岐須渓谷から県境稜線

19仙ヶ岳コースの県境稜線(小社峠)北上

◆宮妻峡から県境稜線

鎌ヶ岳コースの県境稜線(水沢峠)南下