五十名山

伊勢谷から根の平峠道〔三重県菰野町〕

17国見岳(くにみだけ)1170m

人気のブナ清水から茸岩の絶景を見る

国見岳(御在所岳より)
登山口→山道→下山口
難易度 D B
安全度 C C
体力度 C B
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御在所岳北隣の山で、御在所岳裏登山道と国見尾根の周回が、御在所岳と組み合わせて同時によく歩かれているが、本書は北の朝明渓谷からのコースを紹介した。

国見岳は御在所岳と一味違った雰囲気や見どころがあって、ハイカー人気が高く歩く人も多い。国見岳の登山道は前述のコースのほかに、根の平峠からの県境縦走路や、腰越谷や上水晶谷などいくつかのルートが朝明側にあって周回もできる。今回は変則ルートになるが、根の平峠の手前から、伊勢谷沿いにブナ清水と呼ばれる雰囲気の良い二次林帯を経由して国見岳へ登り、根の平峠へ県境稜線を戻る周回で歩いた。県境へ出るまでの往路は、山慣れないとルート読みが難しいが、テープ目印がたくさん付いているし、茸岩と呼ばれる奇岩と大展望台もあって面白いコースである。朝明渓谷から根の平峠道を歩き、峠が近くなった所で、地図にある目印からを笹を分けて南へ入る。急崖の伊勢谷と緩い傾斜に挟まれ山腹は、薄い踏み跡もあるがどこでも歩けるので、足元を選んで谷縁沿いを歩くうちに谷に出る。

幾度か渡り返して、歩きやすい方へ移りながら遡行すると、谷幅が細くなった所で、大きな岩の下から涌水の流れ落ちる源流(ブナ清水)に着く。周辺は三重県側では珍しい二次林の雰囲気が良い谷合いである。

●青岳から一登りして国見岳へ

ブナ清水から低い窪地を東へ緩く登ると、テープ目印があって展望の開く尾根の突端に出る。高所へ登り尾根筋が薄くなった所で東へ登ると、再び尾根筋に出て腰越峠からの登山道に出る。尾根が拡がり快適な樹林下を県境へ向かい、看板のある分岐に出て右折すると、茸岩と呼ばれる奇岩と、その周りから釈迦ヶ岳方向の大展望が開く景勝地がある。

分岐へ戻るとすぐに県境に出て、樹林下をわずかに登って大岩のある青岳に着く。ここから国見岳までは県境稜線のよく踏まれた道で、鞍部から登りに転じると、灌木帯の中の深い笹と掘れた溝道が続き、大岩の間を幾つか抜けると、岩に囲まれた国見岳に着く。岩上に立つと四周に展望の開く山頂から、来た道を戻って帰路につく。往路で歩いた分岐から先は、根の平峠へ下る県境縦走路で、稜線の拡がった樹林下を、踏み跡やテープ目印に注意して抜けると、解りやすい縦走路の稜線道になるが、深く掘れた砂質の溝道が幾度も現れるので、雨の日などは特に転倒に注意する。大岩を潜ったり回り込んで下るうちに、穏やかな笹尾根になって、立派な石柱が立つ根の平峠に着く。

峠からは水晶岳や愛知川方面へ幾度も歩くガレ道で、足元に注意して往路の取付口を過ぎ、荒れた林道を幾度か渡渉しながら車道に出て駐車場に戻る。なお望仙荘の前から伊勢谷小屋へ通じる山道があり、雨後の増水時などは橋を渡って戻ることもできる。

【アプローチ】5釈迦ヶ岳と同じ

【その他の登山道】

◇御在所岳裏登山道(国見峠から北へ県境稜線)◇国見尾根

(裏登山道から藤内小屋を基点として不動谷・谷を渡って直登・藤内壁入口の三カ所に取付点がある)

◇腰越峠から県境稜線

(裏登山道と朝明駐車場の二つのルートがある)