五十名山 青川峡から遠足尾根(大鉢山)[三重県いなべ市〕 14 静ヶ岳(しずがたけ)1088m 治田峠から県境縦走路を歩く |
大池を背に(静ヶ岳近くの県堺沿いにて)
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静ヶ岳は竜ヶ岳の北で、県境から西へ入り込んでいて人里からは目立たないが、西の茶屋川方向から眺めると、竜ヶ岳に遜色のない巨体の山であることが解る。しかしその代表コースは、三重県側から南北の県境稜線伝いに歩くのが主で、本書でも北隣の銚子岳を含めて、青川峡から県境を縦走しながら周回するコースを歩いた。 県境沿いに立ち並ぶ静ヶ岳と銚子岳の二山を三重県側から周回する場合は、青川峡から淀川峠へ出て竜ヶ岳北の遠足尾根を戻るのが最短と思うが、いかにも長丁場のうえに、両山ともに県境から離れた山頂への往復時間も加算する必要がある。また遠足尾根もいろいろな歩き方があって一様ではないが、今回は大鉢山へ直行する北西尾根から、青川峡のキャンプ場へ下山した。陽の長い時期の早立ちが条件になるが、さほど困難な道筋も悪路もなく、見どころの多いコースである。なお下山口に置き車することも条件の一つに加えたい。 国道から青川峡へ向かい、いなべ市で整備した大鉢山の登山口に置き車して、林道終点の駐車地(休みコバ)から歩き始める。川へ下りて渡渉し、堰堤の先から広い河原を歩く。山道へ入ってトンネルを抜け、梯子で谷へ下る所は少し恐いのでロープを持参したい。あとはたくさんの道標を付けた谷沿い道が続き、日岡稲荷を過ぎると谷を離れ、尾根道をジグザグと登り、中尾地蔵を過ぎて治田峠に出る。ここから県境の縦走路で、道標や位置表示板、それにテープ目印も多く、明瞭な稜線道を分岐に出て右折すると、平坦な尾根をわずかに歩いて銚子岳に着く。 木立の中の山頂から分岐へ戻る。南へ折れると急降下になり、ガレ脇を過ぎて登りに変わると、次第に尾根が拡がって、セキオノコバと呼ばれる雰囲気の良い二次林帯になる。緩く登って分岐を右折し、尾根沿いを登り詰めて静ヶ岳に着く。竜ヶ岳方向に展望の開く山頂から、分岐へ戻り右折すると、大きな池の並ぶ二次林帯が続いた後、笹尾根の山腹を笹を分けながら登り、平坦になった所で竜ヶ岳の登山道に出る。 ●大鉢山は公園風の展望台 左折して広い切り開き道が急な下りになり、ホタガ谷の分岐で笹尾根の薄い踏み跡に入ると、ここから遠足尾根になる。しばらくは消えがちな踏み跡を笹を踏んで尾根沿いに歩き、広い笹原になった先で尾根が向きを変えると、やがて林道跡のような広い尾根道が現れる。あとは解りやすい一本道で、尾根の山腹を巻いた先の、大日向の道標がある分岐で、左の平坦で笹を切り開いた良い尾根道に入る。尾根は北東方向にほぼ一直線に延びていて、尾根が拡がった所も北東の方位に歩くと、鞍部からわずかに登って大鉢山に着く。 公園風に展望案内板やベンチがあり、伊勢平野の広大な展望が開く山頂から、帰路は階段道の急傾斜の山腹に付けたジグザグを飽きるほど繰り返し、途中には敷き詰めたような岩屑も散乱していて、ひたすら足元だけを注意して下るうちに、キャンプ場脇の置き車した登山口に着く。 【アプローチ】 □車・大安分岐から藤原分岐へ2・0キロ、分岐Hから4・9キロで登山口駐車場。 交通・三岐鉄道北勢線阿下喜駅から新町バス停、徒歩1時間10分。
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