五十名山

鞍掛峠道から鳴川谷林道〔滋賀県犬上郡多賀町〕

13 三国岳(みくにだけ)最高点911m

県境の鞍掛峠から焼尾山へ立ち寄る

三国岳(茶の登山道より)
登山口→山道→下山口
難易度 B B
安全度 B B
体力度 B B
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鈴鹿山地の北部で、美濃、近江、伊勢三国の国境分岐に位置するのが山名・三国岳の由来。中腹の二次林(通称ダイラ)は鈴鹿有数の景勝地で知られる(阿蘇谷道)がある。本書では国道側の鞍掛峠道コースを紹介した。

横根山と烏帽子岳の双方から南下する県境稜線は、三国岳で合流して一本になり、鞍掛峠から御池岳へ向かっている。三つの国境が接するために三国岳と名のつく山は数多いが、この三国岳もそのような山で、現在も岐阜、滋賀、三重の三県の県境を分けている。

三国岳の登山道は、南麓の時山集落から、炭焼きや鉱石採掘の生活道路として活用された阿蘇谷道が知られ、現在も登山者らに利用されている。一方車社会の現在は、国道沿いの鞍掛峠から歩く比率が増えて、よく踏まれた道筋がある。今回はその鞍掛峠から稜線をたどって鳴川谷林道へ下る周回で、巡視路もあって楽に歩ける。ただし登山口と下山口間の距離が長いので置き車を必要とするが、国道が閉鎖される冬期は、滋賀県側の鞍掛橋か鞍掛峠へ出る登山者も多いので追記した。下山口の国道駐車場へ置き車の後、鞍掛トンネル西の駐車場から歩き始める。御池岳の道標が立つ左奥の登山道入口から山道へ入り、植林下を急登して巡視路に合流し、左折して鉄塔を過ぎると鞍掛峠に出る。

鞍掛峠から左へ階段道を登り、もう一度鉄塔を通過すると分岐に出て、寄り道の焼尾山を往復する。展望やシャクナゲ群生を見て分岐に戻り、三国岳の稜線に入る。ヤセ尾根から高所へ出て、尾根の分岐に注意して細い灌木の稜線を鞍部に下り、ほぼ一直線に登り返すと、最高点の峰に出て、さらに樹林下の広い尾根を登降して三国岳(本峰)に着く。

●好展望の鉄塔下から巡視路で下山

南の一画に展望の開く山頂から、北へ下ると阿蘇谷からの登山道になり、急降下した分岐で左へ岩尾根を登ると三角点の峰に出る。帰路にとる鳴川谷林道へ下る尾根は、分岐まで戻って山腹を巻く巡視路もあるが、尾根を直進すると、藪分けから少し急降下になるが、植林側へ寄って立木を持って下ると、巡視路に合流して尾根上の鉄塔に着く。塔脚の間に拡がる景観に一息入れた後、良い尾根道を下ると、ピークを一つ登降して登り返す所で、巡視路表示を見て尾根を離れ、植林下をジグザグと下って鳴川谷林道に着く。

林道はまだ先へ延びているが、道が広くなった脇に倒壊した小屋と捕獲檻が放置されていて、それがこちらから登るときの目印になり、巡視路の表示板も立っている(四駆車なら車も入れる)。この後地道の林道を四十分ほど歩いて置き車した国道の駐車場へ戻る。

【鞍掛橋から鞍掛峠】

国道の鞍掛橋から御池谷へ向かう林道に入り、分岐する林道を左折すると、右手に巡視路表示が出てくる。山道へ入ってすぐに谷を渡ると、尾根沿いのジグザグ道になって鉄塔に出て、その先で左の山腹道に入ると、往路で合流した分岐に出て鞍掛峠に着く。

【アプローチ】

□車・藤原分岐から鞍掛峠へ76キロで登山口。交通・三岐鉄道阿下喜から冷川バス停、鞍掛峠登山口へはタクシー利用。

【その他の登山道】

◇時山から阿蘇谷

分岐Gから57キロで登山口(駐車場)