五十名山

大岩谷から池ヶ谷〔三重県鈴鹿市〕

9B入道ヶ岳(にゅうどうがたけ)三角点906m

小岐須渓谷の最奥コース。白滝を見て登る

奥宮から笹原の山頂を望む
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登山口→山道→下山口
難易度 D C
安全度 C C
体力度 C B
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小岐須渓谷から入道ヶ岳を周回する場合は、大石橋西の駐車場から、大岩谷あるいは松の木谷と池ヶ谷を組み合わせるコースが、重複もせず置き車も必要ないのでよく歩かれている。谷の途中で分岐する大岩谷と松の木谷を比べると、松の木谷の方が短時間で歩ける半面圧迫感のある狭い谷中の遡行が多く、一方の大岩谷は、時間はかかるが谷歩きの雰囲気が良くて見どころの白滝もある。そこで今回は、大岩谷を登って池ヶ谷を下る周回で歩き、松の木谷も要点を記した。

大石橋西の駐車場から歩き初めて林道に入り、終点で大岩谷を渡って堰堤の右上に出ると山道になる。小屋を過ぎると鹿除けネット沿いになり、山腹を巻きながら谷をまたぐと、松の木谷の分岐を過ぎた所で白滝に着く。

鈴鹿でも数少ない高度感のある滝を鑑賞後、滝右の山道に戻って滝の上流から谷へ下り、もう一度高巻きして谷へ戻ると、谷幅が拡がった二次林下を、渡り返しながらの遡行となる。次第に踏み跡が薄くなり、合流する支谷も幾つか現れるので、北の方位に注意し、狭くなった谷中から源頭の窪地を登ると、宮妻峠側の林道から登る奥の谷(前項)と同じ場所の磐座尾根に出る。

●磐座尾根から谷沿い道へ

尾根に乗って一息入れた後、右折して山頂へ向かう。宮妻新道からの帰路(前項)と逆コースになるが、歩きやすい尾根道を緩く登り、仏岩と大岩を過ぎた先で急降下して、再び急登してヤセ尾根や岩尾根を登りきると、平坦な地の樹林下になって、椿大神社の奥宮を祀ったピークに出る。奥宮を参拝してガレ沿いから北の頭の裾を廻って入道ヶ岳山頂に着く(北の頭を経由しても良い)

展望の良い笹原の山頂から、池ヶ谷を帰路にとって北西の笹道に入る。道標の立つ分岐を左折して、溝状の踏み跡を笹に隠れた小岩に注意して下るうちに、細い水流が現れ、足元を選んで谷中や両岸へ渡り返しながら下る。左手に注意しながら、滝ヶ谷へ移る山腹道を見逃さずに折れ、道標(池ヶ谷6)で右折して山腹を急降下しながら避難小屋に出て、ロープと鎖で岩壁を下って谷へ出る。渡渉して右岸へ移り、岩屑の多い谷沿いから、再び左へ渡って山腹を高巻きしながら下ると、駐車地近くの車道に出る。

【松の木谷コース】

大岩谷の途中で、道標の立つ分岐を右に入る。ネットを潜った先から低い尾根を少し歩き、雑木の藪で行き止まりになった所で谷へ下る。V字状に狭くなった谷芯を、両側から入り込むガレ谷に注意して遡行し、岩が消えて滑りやすい源頭の急坂を登りきって磐座尾根に出る。緊張する個所もあるが、大岩谷より三十分程度は時間短縮ができる。

【アプローチ】

□車・湯の山分岐から亀山分岐へ106キロ、分岐Jから7キロ(登山口駐車場)

■交通JR関西線加佐登駅から小岐須バス停、徒歩1時間。

【その他の登山道】

◇椿大神社から二本松尾根(山頂に出るルート)◇椿大神社から井戸谷(谷筋で夏季はヒルが多い)◇椿大神社から北尾根(北の頭に出るルート)◇椿大神社から東南尾根(経験者向き)

分岐Jから椿大神社登山口(駐車場・バス停)