五十名山 裏登山道から中登山道〔三重県菰野町〕 6A 御在所岳(ございしょだけ)三角点1209m 鈴鹿の盟主。岩場多いが展望も良い |
御在所岳(湯の山温泉街付近より)
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藤内壁、山上公園といった付加価値要素は別にして、ハイキングを対象にした山としても、山容、登山道、見どころ、行楽性のすべてを兼ね備えた「鈴鹿の盟主」にふさわしい名山。加えて車でも交通機関でもアプローチしやすく、いざとなればロープウエイも利用できるし、温の山温泉など宿泊施設も近い。 御在所岳が鈴鹿山地の盟主なら、御在所岳の裏登山道と中登山道も、これまた鈴鹿を代表する名登山道の一つである。ただし御在所岳の東峰側は、藤内壁で知られるように花崗岩の集積帯で、裏道も中道もその周辺に拓かれただけに、岩場歩きが多く遊歩道主体の安楽な登山道ではない。けれども迫力のある展望や見どころが多く、加えてアプローチや適度の時間で歩ける良さでハイカー人気が高く、特に裏道と中道を組み合わせたコースはよく歩かれている。 本書もこの人気コースを取り上げて、裏道を登って中道を下る周回を紹介した。もちろん逆コースで歩いても良いし、両道を結ぶバイパス路も下山口近くにあって、駐車場や湯の山バス停へも戻りやすい。 鈴鹿スカイライン(国道477号線)へ入り、蒼滝トンネル西の駐車場から歩き始める。トンネルを東に出た所が裏道登山口で、中ほどの藤内小屋までは、鉄製の橋や石段で整備された良い登山道が北谷沿いに続き、日向小屋を挟んで谷を二回渡り、岩の増えてきた道を一歩きして藤内小屋に着く。小屋のベンチで一息入れた後、道標を確かめて新館の裏から山道に入る。 ●ペンキマーク・道標を見失わずに 天狗の場(大岩が集積する所)を過ぎ、散乱する大岩を乗り越えて左岸へ移ると、藤内壁出合(岳人の追悼標識が立つ)を過ぎたあたりから、大岩が敷詰まって不明瞭な道筋になるが、ペンキマーク・道標・踏み跡などを目印にして登るうちに、深い笹の溝道になって稜線上の国見峠に着く。 国見岳と上水晶谷へ分岐する峠を左折すると、来るたびに揺れて、解りやすくなった溝道を緩く登り詰めると、御在所岳山上公園の山上駅近くの登山道口に出る。 行楽者に混じって遊歩道を歩き、三角点や望湖台などを散策し、朝陽台広場に戻って中道から帰路につく。朝陽台から見晴台・富士見岩の二カ所で鎌ヶ岳方向の展望を鑑賞した後、道標の立つ切り開きから中道へ入る。いきなり鎖と固定ロープを使う急な下りとなり、好展望の続く岩塊上から岩壁を横切り、大岩の間をペンキマークを目印にキレット上の鞍部に下り、一転して高い岩壁を鎖で登ると、ようやく平坦な道になり、頭上をゴンドラも行き交って一息つける。 それでも岩尾根が続くので、ルートに注意しながら、見どころの地蔵岩や負ばれ石を過ぎると、ザレて滑り台のようになった道の手前で、裏道に通じる分岐に出て、左折して山腹道を下って裏道から駐車場へ戻る。なお途中の尾根をまたぐ所で右折して尾根沿いを下ると、巡視路を兼ねた踏み跡があって、駐車場近くの国道に出る近道もある(図示参照)。 【アプローチ】 □車・湯の山分岐から武平峠へ7・7キロで裏道登山口。蒼滝トンネル西に駐車場。 交通・近鉄湯の山温泉駅から湯の山バス停。
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