五十名山

鞍掛尾根からコグルミ谷(滋賀県東近江市〕

2B 御池岳 (おいけだけ)鈴北店1182m

雄大な眺めの山頂台地外周巡り

御池岳遠望(サンヤリより)
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登山口→山道→下山口
難易度 D C
安全度 B C
体力度 D B
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人里からは目立たないが、西方の天狗堂あたりから遠望する御池岳は、緩やかな起伏の長い山頂台地を横たえて「軍艦のような」と形容される。いかにも登行欲の湧く山体を見せている。そして広い台地上の、豊かな植生や自然についてはすでに紹介してきたが、台地の周囲には随所に雄大な展望が開いて、これも御池岳の大きな魅力の一つである。そこで取り上げたのが、二つの登山道で周回する台地外周の展望巡り。ただし地図でトレースを記しても道のない所を歩くので、現在地が判別できることと、地形図と磁石が必携である。

当初は奥の平から県境稜線で鈴北岳へ戻る計画だったが、それなら完全な外周巡りになり時間がかかり過ぎる。それに登降差も大きく労力的にきつい。そこで鞍掛尾根を登ってコグルミ谷を下る周回とし、鞍掛トンネル東の駐車場から歩き始める。鈴北岳まではよく踏まれた一般登山道で、鞍掛峠へ出て左折すると、二次林下の良い尾根になり、樹木が途

絶えて笹原道になると、周辺の展望も開いてくる。平坦な尾根から少し急登してタテ谷分岐を過ぎると、すぐに笹原を切り開いた好展望の鈴北岳に着く。

進行方向は時計と逆廻りで、鈴北岳から元池分岐に出て西ボタンプチをめざす。地図に記した方位を念頭に置き、草地の踏み跡から、尾根が現れた所で草地を離れ、高所へ登り詰めると西ボタンブチに出る。次のボタンブチまでは池巡りと同じルートで、尾根沿いから緩く登降して、台地の外縁(崖状)と丸山の山腹の間を、南東へ進み風池の先から笹原に入ってボタンブチに着く。

●藤原岳を中心にした展望に

次の目標地は西側突端の土倉岳口で、幸助池の左から南へ下って登り返すと、右手の岩淵がボタン岩で、地形に沿って南東へ道のない笹原を踏み分け、正面に尾根を見て右へ寄ると土倉岳口に出る。その手前にはテープを付けたT字尾根の下り口もあり、共に御池林道へ下るルートになっている。続いて東へ向かう尾根を登り、ピークからさらに直進して、下った突端で東ボタンブチに着く。重畳とした西側の展望も、いつしか藤原岳を中心とする展望に変わっている。

最後の目標は奥の平で、台地沿いの尾根芯を目印に、いくつかの石灰岩のピークへ登り、笹原の薄い踏み跡を登り返すうちに、樹林が消えて一面の笹原になって奥の平に着く。

全体に以前の深い笹も低くあるいは枯れて、思ったより短時間で歩けるし展望も良い。奥の平からは一般登山道で、カタクリ峠からコグルミ谷を下りる。土石流のためか登山道の入口など、一部で谷の道筋が変わっている。下山後は置き車での送迎をとりたい。

【アプローチ】

□車・藤原分岐から鞍掛峠67キロで鞍掛トンネル東登山口と駐車場(県境縦走路で鈴北岳へ)

交通・三岐鉄道阿下喜駅から冷川までバス。鞍掛峠まで徒歩1時間50(タクシー利用)

【その他の登山道】

◇鞍掛橋から御池谷

大君ヶ畑東の鞍掛橋に登山口。バス停大君ヶ畑か徒歩20分。

◇木和田尾から白船峠(県境)三重県側ルート

積雪期などコグルミ谷へ行けない時に利用。

御池林道から土倉尾根・・・滋賀県側ルート

他にT字尾根・伊勢尾など変則ルートがある。