五十名山

コグルミ谷からタテ谷(滋賀県東近江市〕

2A 御池岳(おいけだけ) 丸山1247m

低い笹原で好展望の奥の平

秋のコグルミ谷(御池岳登山道)
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登山口→山道→下山口
難易度 C C
安全度 C C
体力度 C B
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藤原岳の北に隣接する山。テーブルランドと称される山頂部の最高点(丸山)は、鈴鹿山地の最高峰。石灰岩質の山で花が多く、日本庭園を彷彿とさせる山頂部の池や樹林の雰囲気は、鈴鹿では他に類がない。また随所で展望も良いが、山慣れた人でないと山頂部の登山道以外を歩くのは難しい。

三重県側から藤原岳に隠れて目立たない御池岳は、南北に拡がる山頂台地に、鈴鹿山地最高峰の丸山を中心にして、鈴北岳や奥の平などの峰を配し、緩やかな起伏には、自然林や石灰岩や池塘が点在して、春秋に咲く花も多く、逍遙する山としては鈴鹿第一級の名山である。

ただ山深い山城ゆえに、車でのアプローチが必要なことと、池巡りなどで一般登山道を離れるときは、自力で戻れる技量が条件ともなる。紹介するコグルミ谷からタテ谷の周回は、御池岳では基本的で解りやすい登山道とされているが、土石流などで道が荒れて、道筋がよく変わるので要注意である。

鞍掛峠から二キロほど東のコグルミ谷登山口から歩き始める。伏流で水の無い谷は、最近の土石流もあって、岩が散乱して踏み跡も解りにくいので、テープ目印も参考に、左右の巻き道や谷中の岩を踏んで遡行する。水場(長命水)を過ぎ、その先の道標(御池岳)から、山腹へ取り付いて県境稜線のカタクリ峠に出る。峠を右折して山頂に向かうと、緩い登りの快適な登山道になり、尾根をまたいで山腹を下り、真の谷の出合から分岐に出て、御池岳方向へ左折して溝沿いを登る。

●低い笹原で好展望の奥の平

山頂近くの分岐で左折し、樹林と石灰岩の尾根から、笹原の切り開き道に出たところで直進せずに左へ寄り、笹原の中で目立つ木に近づくと踏み跡が現れ、そのまま尾根芯を進むと、低い笹原で展望の開く奥の平に着く。道標の立つ分岐まで戻り、左折して笹原の踏み跡から溝道に合流して、好展望のボタンブチに着く。近くの樹林の中に幸助池の見どころもある。ここから少し変則ルートになるが、好展望の天狗鼻と風池へ寄り、その先の尾根を登って、樹林と石灰岩に覆われた御池岳山頂(丸山)に着く。

展望は優れないが、鈴鹿の最高峰らしい風格を持った丸山から、鈴北岳の道標に沿って北へ下る。背の高い樹林帯下の踏み跡をほぼ一直線に北へ下ると、往路で分けた登山道に合流して、左折して樹林下から草原に出て鈴北岳に着く。時間があれば道脇に道標の立つ元池へも立ち寄ってみたい。

帰路は鞍掛峠道を少し下り、道標で右折しタテ谷を戻る。すぐに谷地へ出て、草の間から細い溝中を下るうちに谷幅が広くなり、谷沿いの踏み跡をテープを目印に左右に渡り返しながら下降する。右手からガレ谷の合流するところで、谷を離れて植林下の山腹道に入る。ここからさらに尾根や山腹を一下りするが、踏み跡沿いにテープ目印やペンキマークがふんだんにあり、岩ガレの谷からコグルミ谷に出て登山口に戻る。なお時間や天候によっては鞍掛峠を下ってもよい。

【アプローチ】

□車・藤原分岐から鞍掛峠へ55キロでコグルミ谷登山口。登山口の東03キロに駐車場、

■交通・三岐鉄道阿下喜駅から冷川までバス。徒歩90分はきついのでタクシーを利用したい。