五十名山 西南尾根から榑ヶ畑道〔滋賀県犬上郡多賀町〕 1B 霊仙山(りょうぜんさん) 最高点1094m 迫力のある展望で人気の高い周回コース |
霊仙山西南尾根(正面右は最高点)
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数ある霊仙山登山道の中で、西南尾根と榑ヶ畑道を組み合わせるコースは、展望の良さと周回のしやすさで人気が高く、花の時期ともなれば歩く人が格段に多くなる。ただし登山口に近い廃村の今畑や落合は、河内風穴からさらに山裾へ入った奥地で、車の利用が条件となる上に、芹川沿いの細道が続くので、アプローチには細心の注意が必要である。
多賀町久徳の国道から、河内風穴の道標を見て山手に折れ、風穴を過ぎて二つの分岐をいずれも直進すると、ほどなく道脇に小屋が四軒建ち並ぶところに出る。ここが登山口で、近くの空地に駐車して歩き始める。(登山道の道標がある。最奥の落合へ行き過ぎても徒歩五分ほど戻る距離)
山道へ入るとすぐに数軒の家屋が残る今畑を過ぎ、急登になって尾根に出ると、掘割状の古い溝道が続いている。植林の尾根から二次林の山腹に変わり、石灰岩と笹が増えてきて、右手から近づいて来た尾根の末端を過ぎたところで笹峠に着く。ただし峠の位置は深い笹に埋もれて交差する道も展望も無く、鞍部に下って展望が開いてくるともう通り過ぎている。
笹の途切れた広場で一息入れた後、低い灌木と草が混じる笹地の岩肌を、道すがら続く雄大な展望を眺めながら、切り開いた踏み跡を忠実に辿り、急登して登り詰めたところで、石灰岩を踏んで近江展望台に出る。
ここから南霊山を挟んで霊仙山の最高点までは、緩やかな起伏が続く尾根筋で、石灰岩の詰まった尾根上を岩を踏んで歩き、樹林が密生する手前で、踏み跡に沿って右折して山を巻き、南霊山のピークを過ぎたところで尾根に戻る(南霊山の最高点は、尾根を左折しても途中から高所へ登っても行ける)。
●石灰岩の尾根歩きは慎重に
尾根上は相変わらず石灰岩が多いが、最後に深い笹の切り開きを抜けると最高点に出る。ここから三角点峰と経塚山の間は、笹原を切り開いた登山道が通じ、全体に低い笹で見通しも良く、共に山頂は四周に展望が開いて、霊仙山特有の山歩きの醍醐味が味わえる。経塚山からの帰路は、榑ヶ畑道をとって西へ踏み跡を下ると、笹原を切り開いた広い登山道が通じ、お虎ヶ池とお猿岩を過ぎた先で、山頂台地が終わって固定ロープの付いた急降下になる。下りきった見晴台(五合目)から、再び快適な登山道が続いて分岐の汗拭き峠に出る。ここで醒井養鱒場方向へ下る道を離れて左折すると、山腹から大洞谷沿いの谷道となり、橋を渡って左岸へ移ったあたりから、林道に変わってすぐに落合の集落跡に出る。廃村集落といっても立派な家屋や公民館があって、道脇の水道も使える。集落を抜けるとすぐに駐車地に着く。
【アプローチ】
□車・多賀分岐北の分岐Bから河内風穴を過ぎ、登山口まで9・1キロ。
交通・多賀大社前駅から分岐B(久徳)までバス。その先便なし(タクシー利用)。【その他の登山道】
◆米原市醒ヶ井から博ヶ畑道
醒ヶ井駅から養鱒場バス停下車。車はその先の林道で登山口駐車場まで走行可能。本書で周回する西南尾根の汗拭き峠まで25分で合流する。◇米原市醒ヶ井から谷山谷
醒ヶ井駅から上丹生で左折。約1キロで登山口。さらに1キロ先まで林道が続き駐車場もある。
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