鈴鹿山麓てくてく旅

10 滋賀県米原市(旧米原町・山東町・近江町)

中山道・北国街道の宿場町

【醒ヶ井養鱒場風景】
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◆米原市

鈴鹿山地北西端の米原市は、東の関ヶ原町とともに鈴鹿山地の山麓沿いを中山道、そし北陸路へ北国街道が通じた往古から交通の要衝地で、それは現在も変わらず高速道路や新幹線に受け継がれている。

    中山道番場宿

中山道が鳥居本宿から米原町へ入ると最初の宿場が番場宿で、目に付く遺構は少ないが、長谷川伸原作「瞼の母・番場の忠太郎』で宿場名はよく知られている。東番場にある蓮華寺には、南北朝期の戦乱で敗れた北条仲時師従四三二名が、この地で全員自害した供養塔があり、西番場の山間には青龍滝と鎌刃城跡がある。

    中山道醒井宿

JR東海道線醒ヶ井駅から国道をまたいで左折し、地蔵川沿いになった所から宿場町で「水の郷百選・遊歩百選」に選ばれた清澄な湧き水には、日本武尊の故事で名高い「居醒の清水」や西行水、十王水の名所、水中花の梅花藻、絶滅危惧種の淡水魚ハリヨが見られる。また街道脇には醒井宿資料館、醒井木彫美術館、馬頭観音などの見どころがあり、醒ヶ井駅横に食事や買物の道の駅「醒井水の宿駅」がある。

    醒井養鱒場周辺

醒ヶ井駅から霊仙山登山口のある鈴鹿山地へ向かい、木彫の里・上丹生から醒井渓谷を過ぎると、東洋一の規模と言われる醒井養鱒場がある。場内には飼育池、資料館、水族館、鱒釣り池などの施設があり、周辺に鱒料理店、霊仙三蔵記念堂がある。また霊仙寺七別院の一つ松尾寺跡(松尾寺山)へのハイキングコースもある。なお霊仙山榑ヶ畑登山道の廃村跡近くに宿泊施設「かなや」がある。

    北国街道米原宿

鳥居本宿の北で中山道と分岐した北国街道が、米原宿から北陸方向へ通じている。以前は琵琶湖の入江内湖が現在のJR米原駅あたりにあって、宿場と接続した米原湊が湖上交通で賑わったらしいが今はその面影もない。

宿場の山側には、回遊式枯山水で名高い青岸寺と、曳山祭りの湯谷神社がある。

    米原市の琵琶湖畔

鈴鹿山地が最も琵琶湖に近づくのが米原町付近で、山麓探訪気分で琵琶湖畔を訪ねることができる。日本武尊伝説の磯崎神社、烏帽子岩、鍋冠祭りで知られる筑摩神社、朝妻湊跡などの見どころがある。

    中山道柏原宿

近江路東端の宿場が柏原宿で、現在の滋賀県旧山東町にある。宿場の中心部はJR東海道線柏原駅付近で、本陣跡、問屋場跡、柏原宿歴史館、伊吹堂亀屋左京(もぐさ本舗)などの往時の建物や遺構がよく残されている。宿場から少し北方には、中世守護大名京極家の墓所や北畠具行の墓がある。

    旧山東町周辺

霊仙山の山裾から伊吹山の西麓まで、南北に長い旧山東町は、柏原宿以外にも見どころが多く、野鳥の宝庫三島池は伊吹山のビューポイントで、周辺には宿泊、キャンプ場、行楽施設などのグリーンパーク山東がある。また天然記念物の源氏ホタルの発生地がある。

    旧近江町周辺

長浜市と旧米原町の間に位置し、かつては日本一の真綿の生産地で知られた町。古礼の坂田神明宮、日撫神社、山津照神社、鈴鹿山麓の西円寺、総寧寺、散策なら日撫山とかぶと山のハイキングコースがある。