鈴鹿山麓てくてく旅

9 滋賀県多賀町・甲良町・彦根市

縁結び、長寿を祈る多賀大社

【多賀大社の拝殿・本殿】
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    多賀大社周辺

伊勢神宮の祭神(天照大神)の両親(イザナギ命・イザナミ命)を祭神とする多賀大社は、縁結びと長寿の神様として全国から参詣者の絶えない古社で、門前町には真如寺(古刹)、絵馬館(工芸品)、かき楼(宿泊)などの施設、糸切(名物)などの名産品も多い。

    多賀町周辺

多賀町周辺には多賀大社以外にも見どころが多く、町内から出土したアケボノ象の化石など鈴鹿山地の地質や化石を展示するあけぼのバーク博物館、天体観測のできる天究館、多賀釣池などがあり、多賀大社の別宮で、青竜山に元宮(磐座)のある胡宮神社境内に歴史民族資料館や敏満寺の遺構)もある。

    高取山ふれあい公園

多賀町南の山間部に高取山ふれあい公園がある。総合的森林体験交流を目的とする野外施設で、キャンプ場の他に、アスレチック、人工ゲレンデ、各種林業体験、ハイキングコースなど家族で自然に親しむ施設がある。

また公園の県道入り口には、多賀三社の一つ大滝神社があり、犬上川沿いにスポーツ公園、大蛇の淵、遊歩道などがある。

    河内風穴周辺

霊仙山の南西麓を流れる芹川沿いに、河内風穴(鍾乳洞)がある。入り口は狭いが内部は広く全国でも有数の石灰岩洞窟である。国道近くの芹川ダムは野鳥の森公園になっている。また鞍掛峠に向かう佐目トンネル近くの犬上川脇に佐目風穴がある。

    彦根城

幕末の大老井伊直弼が城主(十三代藩主)だった彦根城は、姫路城、松本城、犬山城とともに築城のまま今に残る国宝の城で、城の内外には、天守閣、玄宮園、楽々園、博物館、夢京橋、芹川堤などの見どころが多く、ゆっくり回ると一日がかりの行楽になる。

    彦根市周辺

彦根城以外の見どころとして、石田三成の佐和山城跡と名庭の龍潭寺を結ぶ佐和山ハイキングコース、彦根城北の総合運動場から琵琶湖畔に出ると海水浴場、遊覧船乗り場、少し南に荒神山ハイキングコースなどがある。⑦  西明寺周辺

彦根市南の甲良町には、湖東三山の一つ、平安時代初期創建の古刹で、本堂と三重塔が国宝の西明寺がある。近くには中世の豪族・佐々木導譽ゆかりの勝楽寺と城山だった正樂寺山がある。甲良豊後守(甲良大工の祖)記念館、そば打ち体験のできる一休庵などがある。

    中山道

古くは東山道、江戸時代以降は中山道と呼ばれた主要街道の一つが、京都と江戸を結んで湖東平野を通過していた。その宿場町が彦根周辺では鳥居本宿と高宮宿の二つあり、現在も国道8号線沿いの街道筋に本陣跡、常夜灯、五百羅漢の天寧寺、石清水八幡宮など、古寺や遺構がその面影を留めている。

    近江カルスト

彦根市から多賀町にかけては、近江カルストと呼ばれる石灰岩地質で、山城から高原状の台地にかけて、多くのカレンフェルト(石塔)やドリーネ(窪地)が見られる。また台地周辺は古くから人が居住し、現在でも五僧、保月、杉、男鬼、武奈、今畑など多くの廃村集落が残り、島津越と呼ばれた古道沿いには、多賀御神木(杉坂峠)、乳地蔵(地蔵峠)などの見どころがあり、男鬼近くに比婆神社がある。台地周辺は車での周回も可能である。