鈴鹿山麓てくてく旅

8滋賀県愛荘町・東近江市(愛東・湖東ほか)

金剛輪寺や百済寺など古寺、名庭散在

【金剛輪寺の本堂(国宝)
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    金剛輪寺周辺

西明寺、百済寺とともに湖東三山で知られる愛荘町の金剛輪寺は、奈良時代(八世紀)に聖武天皇の勅願・行基菩薩の開山による古刹で、国宝の本堂や名勝庭園など見どころが多い。周辺には精進料理の華樂坊、国民宿舎金剛輪寺、宗教文化や古代豪族の関連する歴史や文化遺産ある歴史文化博物館がある。

    愛荘町周辺

多賀町の南から宇賀川にかけての愛荘町は、朝鮮半島からの渡来民族「依智秦氏」によって開発された歴史を持つ町で、金剛輪寺と並んで町の誇る伝統工芸品「手織り(近江上布・秦荘紬)」の資料館、原料の栽培や飼育・技術の研修などを行う金剛苑があり、他に古墳公園、矢取地蔵、宇曽川ダム周辺にダム公園、山比古湧水、周辺散策路などがある。

    旧湖東町周辺

愛荘町と旧愛東町の間に挟まれた旧湖東町は、山麓の範囲は狭いが、近江商人発祥地の旧五個荘町と隣接することもあって見どころが多く、近江商人郷土館、歴史民族資料館、特産物販売の味咲館、初代南極観測隊長で登山家でもあった西堀栄三郎氏の記念館「探検の殿堂」など歴史、文化、産業施設がある。また火の神様を祀る押立神社、厄除けの豊国神社、天然記念物ハナノキ、運動場をもったひばり公園、工房やアトリエのあるヘムスロイド村など、車で巡っても一日がかりの見どころや施設がある。

    百済寺周辺

永源寺町北の旧愛東町に、湖東三山の一つ百済寺がある。聖徳太子の創建とされ、最盛期には三百余もあった僧坊も、信長の焼き討ちで衰退したが、本坊の喜見院には、頂部か琵琶湖や比叡山が遠望できるので「天下遠望の名庭」と呼ばれる庭園があり、周辺には百済寺から収納した石仏や石塔を安置する引接寺や、天然温泉の湧く近江温泉湖東ホテルがある。

    旧愛東町周辺

多賀町と旧永源寺町の中間で、鈴鹿山地に広い山麓帯をもつ愛東町は、平野型の湖東町に対して山間型の町で、百済寺と並んで山裾に大覚寺と東光寺があり、多賀大社と永源寺を結ぶ湖東山之辺の道(古社寺街道)が通り、湖東三山をつなぐ自然歩道や、大覚寺を中心にした自然公園や展望台、八反溜を往復する散策路などがある。

また町界の愛知川沿いには、鯰江城跡や小倉城跡などの古城を巡る道や、井と呼ばれる昔の灌漑や愛知川化石林群を巡る道もある。新しい設備として特産物や花工房を主とした道の駅(愛東マーガレットステーション)も人気が高い。

☆その他の町並み

秦荘町から湖東町の西に、近江商人発祥の地旧五個荘町がある。旧五個荘町や旧愛知川町を訪ねて、今に残る中山道沿いの近江商人の町並み(てんびんの里)や郷土産物(びんてまり)なども見聞したい。

【百済寺の庭園風景】