三百山ビークハント

永源寺から永源寺ダム公園滋賀県東近江市〕

8 笠松山(かさまつやま)487m

永源寺探勝歩道を歩く

永源寺総門
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登山口→山道→下山口
難易度 C B
安全度 B A
体力度 B A
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八風街道沿いの永源寺の東に、昭和四十七年に完成した永源寺ダムがある。そしてそのころ造成されたのであろうか、永源寺とダムの間に「永源寺探勝歩道」が通っている。永源寺から閉鎖中の国民宿舎・紅葉荘を挟んで、笠松山からダム公園に下る自然歩道で、階段や手摺はかなり老朽化しているが、道筋の識呂谷に識呂滝と永禅滝の見どころもある。

永源寺の山城には、永源寺霊場四国八十八カ所巡りも整備されて、通しで歩くと一日がかりの手ごろなハイキングコースになる。

永源寺の渡橋から少し東の分岐を左折して集落道に入り、最初の路地から橋を渡ってT字路に出た所にある永源寺の駐車場に車を置いて歩き始める。最初は永源寺に向かって歩き永源寺会館を過ぎた料金所手前で、右手の駐車場へ入った左奥に登山口があり、脇の永源寺霊場巡りの看板が目印になる。

歩道へ入るとしばらくの間は道脇に「順路」の標示と石祠が続き、最後の標示で霊場巡りの道は右へ下って再び同じ所へ戻ってくる(十五分ほど見込めば一周できる)。ここから先の山腹へ直進するのが探勝歩道で、おおむね歩道は良い道で、ガレ地や傾斜部にも階段や手摺がついてほどなく林道に出る。道脇には広い公園があり、右から歩道伝いに国民宿舎跡に出る。来るたびに廃屋化が進む感じの建物を、右から下って駐車場に出て道標の立つ所から識呂谷を渡る。渡ってすぐ左折して、谷沿いを往復十分ほどで識呂滝、少し先を左折して往復三十分ほどで水禅滝を見学して戻り、山腹道を先へ進む。

●笠松山までは道標の完備した道

二次林下を緩く登って支尾根に出て、再び山腹へ戻った休憩所の先で、次に乗った尾根が笠松尾根である(左折すると日本コバへ行く)。尾根を右折して緩く下り、鉄塔脇から少し登り返すと笠松山に着く。なおここまでは自然歩道だけあって、随所に道標、距離表示、ベンチ類があって解りやすく歩ける。

永源寺ダムや黒尾山方向の展望が開く山頂から、帰路はダム公園に向かって南へ下りる尾根に入る。一般向きには道標に従って尾根を西へ下り、鉄塔の手前で山腹道を下ってダム公園に出る道が解りやすいが、変化を求めるなら笠松山からすぐの分岐を左折して薄い尾根に入り、笠松山最高点(独標)から公園に直接戻る歩き方もある。

最初は南西の尾根へ入り、尾根が消えた所も南西方向を確かめながら下るうちに、ダムと手前の舗装路が見えてきて、公園より少し東側の車道に出る。ただしこのルートは、正規の道より二十分ほど時間がかかり、ルート読みも必要で南へ寄り過ぎると車道へ出にくいので要注意。舗装路に出て駐車場まではほぼ一本道で解りやすい。

【永源寺】永源寺の駐車場を利用させてもらい、登山口も永源寺の裏口にあるので、時間が許せば永源寺も参詣したい。永源寺は臨済宗永源寺派の大本山で、十四世紀に開基された古寺。愛知川の右岸山腹にあって紅葉の名所で名高く、十一月の休日ともなると行楽の車で八風街道は大渋滞するほどである。

【アプローチ】

□車・八日市分岐から大安分岐へ73キロ、分岐Zから0.8キロで登山口(永源寺駐車場)

交通・東近江市永源寺支所から永源寺車庫バス停、徒歩15分。