三百山ピークハント 南尾根から巡視路尾根〔三重県亀山市〕 6 仏ヶ平(ほとけがひら)569m 大般若経塔の碑も立つ国道沿いの秀峰 |
鉄塔を乗せた仏ヶ平(鈴鹿川より)
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名阪国道を亀山市から伊賀市方向へ走ると、明星ヶ岳に続いて山腹に大岩を埋めた羽黒山、次いで巨大な赤塗りの鉄塔を建てた富士形の山が目に入ってくる。もう少し下にと思うほどに、山頂直下でそびえ立つ鉄塔が無ければ、さしづめ加太富士とも呼ばれそうなこの山を「仏ヶ平」と言い、西方の経塚山とともに仏教的な山名で、巡視路尾根の鉄塔脇には「大般若経塔」の碑が立つ経塚もある。 今回のコースは、国道沿いの鉄塔脇から南尾根を登り、すぐ東を併走する巡視路尾根を戻る周回で歩いた。 JR関駅の東で国道1号から国道25号に左折して加太川沿いを走り、踏切をまたいだ先の道脇に、大きな鉄塔が現れた所で、付近の空き地に駐車して歩き始める。なお加太駅から逆に歩いて十分ほどの距離である。 登山口は鉄塔横の巡視路入口で、道端に立つ鉄塔表示板から山道に入る。線路と小谷をまたぐ橋を渡ると植林下の良い道となり、巡視路が右折して谷を渡る所で、そのまま直進して土手を登って左手の尾根に乗ると、広い尾根道が直線的に北へ延びている。 尾根はやがて見上げるような急傾斜になるが、一部で倒木が邪魔をする程度で総じて歩きやすい。急登をこなして左から来る尾根に乗った所が地図の「尾根分岐」で、傾斜は緩くなるが藪が茂って歩きにくくなる。 前方に見えてくる山頂はまだ遠くにそびえていて気が滅入るが、小さなピークを越えるごとに近づいてきて、県境あたりの展望も二次林の間から開いてくる。ガレや細尾根に注意して登るうちに植林に入って山頂に着く。なおこのコースを逆に下ると、紛らわしい尾根の分岐が何カ所もあって、地図読みが難しいので要注意である。 ●帰路は快適な巡視路尾根 木立で展望のない山頂から、鉄塔表示板に沿って右へ緩く下ると、麓からも良く目立つ赤塗り鉄塔の前に出る。鉄塔を建てた代償かのように、塔脚の左右から広大な展望が拡がっている。 帰路は鉄塔の脇から巡視路尾根を下る。尾根幅は広くないが、傾斜部には階段が付き、掘れた所は金網の橋をかけ、整備された尾根道は下りの楽さもあって歩きやすい。尾根の途中にはほぼ等間隔に鉄塔が二つ立ち、共に鉄塔下は加太集落方面の展望が開いている。二つ目の鉄塔脇には、鉄塔建設と同時に設営したらしい石組基礎の大きな経塚が立っている。鉄塔を過ぎるとほどなく分岐に出て、尾根を離れて谷へ下ると往路の道に合流して駐車地へ戻る。 なお東隣の寒風(三角点峰)と同時に周回したが、ルートが複雑で難路なので一般的には避けた方が無難と思う。 【山と信仰】古来から「山は神仏が住まい給う所」として崇敬され、それがさまざまな山岳信仰となって人々の心と結ばれていた。仏ヶ平に祀られている経塚だけでなく、山中の小さな地蔵仏一つに対しても、都会の神社仏と何ら変わることのない、敬虔な気持ちになるから不思議である。 【アプローチ】 □車・名阪国道・向井ICから国道25号線へ1・2キロで登山口(JR加太駅前右折)。 ■交通JR関西線加太駅から徒歩10分。 |
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