三百山ピークハント

参道橋から長石尾根縦走(滋賀県甲賀市〕

4 長石山(ちょうせきやま)600m

5 紅皿山(べにさらやま)600m

崩壊したガレ地と岩の多い山

ガレの拡がる長石山(不老谷林道より)
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登山口→山道→下山口
難易度 C C
安全度 B B
体力度 B A
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県境上の溝干山(南峰)から、北方の寺山峠に向かって延びている尾根があり、尾根上には長石山と紅皿山の二山がある。長石山は陶器の釉薬に用いた長石の採掘跡があって周辺に崩壊したガレ地が多く、紅皿山の山頂付近も岩塊が集積して安易には歩けない。ただし危険な部分を適切に巻けば快適な尾根道もあり、県境の那須ヶ原山や高畑山からも足を延ばせるし、尾根沿いを林道が通っていてエスケープも容易にできる。

歩き方も幾通りかあるが、今回は参道橋から林道で坂下峠へ出て、尾根を下りながら参道脇の駐車地へ戻るコースで歩いた。

大原ダム口から林道を走り、那須ヶ原山表参道口(参道橋)近くの駐車地から歩き始める。最初は不老谷沿いの林道を歩き、舗装路が地道に変わると荒れた路面に難儀しながら県境の坂下峠に着く。なお三重県側からも林道が来ているが、峠の手前で道が崩壊して、そこからは車は通れない。坂下峠から溝干山まではよく踏まれた県境縦走路で、左のガレに注意して急登し、笹と灌木下の高所に出た所で、溝干山の南峰に着く。

山頂の石柱横から、県境を離れて笹中の踏み跡を西に下りると、すぐに細い尾根に変わって長石山に向かう切り開き道になる。一部の踏み跡の薄い所は尾根芯に注意し、展望の開くピークから急降下の後、コブの手前でテープ目印を見て左の谷地へ下り、左へ少し登ると峠状のガレ下に出る。そこから岩壁の問の窪地を登って尾根に出て少し戻ると松林に入って長石山の山頂に着く。

●紅皿山は大岩の上で好展望

長石山から笹尾根を下り、登り返した所から尾根上に岩が集中して歩きにくくなる。いくつか岩を越えた後、岩壁の前で右手の巻き道へ下り、テープ目印を見て岩の間から尾根に出て、再び巻いて支尾根から左へ登って紅皿山の山頂部に着く。少し先の大岩の上が最高点で好展望である。

紅皿山から西へ急降下すると、ようやく植林や雑木の安定した尾根道になる。途中で現れる尾根分岐は方位を確かめて西へ歩き、三つ目の分岐を左へ下ったすぐ先で、尾根を外れて左に折れると(赤テープ目印あり)山腹が尾根状になり、左の尾根端(雑木の下)に沿って下るうちに車道が見えてきて、末端から車道に出た所が、小屋の建つ参道橋近くの駐車地前である。

なおサブルートを三つ図示したが、寺山峠の尾根は崩壊箇所が多くなって少し危険。参道橋までの間にも、尾根から林道へ下れるルートが二つある。

【鈴鹿山地の鉱山業】鈴鹿山地は江戸時代から昭和にかけて、銀や銅などの鉱山採掘が盛んに行われていた。現在も藤原岳、経塚山、鳩ヶ峰、大見放で石灰岩や土砂採掘が行われ、イワスや長石山のように採掘跡地が閉山後も放置されている所がある。

【アプローチ】

□車・土山分岐から水口分岐へ09キロ、分岐Lから90キロで登山口(分岐Yで大原ダム方向

【交通・JR草津線甲賀駅から大原ダムロバス停、徒歩1時間。