三百山ピークハント

醒井養鱒場から松尾寺山(滋賀県米原市〕

3 八葉山(はちようざん)601m

迫力ある突峰で存在感。松尾寺山を周回

 
八葉山(養鱒場からの林道より)
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登山口→山道→下山口
難易度 C B
安全度 B A
体力度 B A
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霊仙山と湖東平野の間に立ち並ぶ山塊の一つに八葉山がある。霊仙寺別院の松尾寺で知られる松尾寺山と、柳峠を挟んだ南の武奈山との間にあって、三角点も展望もなく目立つ山ではないが、松尾寺跡へ登る林道から眺めると、この山域では珍しく迫力のある突峰で存在感がある。

八葉山への手ごろな周回路に、醒井養鱒場から尾根を直登して、稜線通しの松尾寺山から下りるコースがある。ただし八葉山への往復だけなら、松尾寺山から歩く方が解りやすいし、柳峠から登る方法もあるが、紹介したコースを逆に周回するのは複雑で難しい。醒ヶ井駅から醒井養場へ向かい、入口左の駐車場から歩き始める。養鱒場内を通るために、入口で八葉山へ登ることを告げて入場させてもらい、魚槽を見ながら歩道を抜け、分岐で右手の稚魚池方向へ入ると、最奥の建物脇に「立入制限」の看板がある。谷沿いへ入ると道はすぐに橋を渡って左へ移るが、橋を渡らず右についた踏み跡へ入る(登山口)

谷沿いを行くとすぐに小さな溝に出て、溝沿いに折れて高所へ向かう。尾根に挟まれた窪地は、下草のない植林下の疎林で、道は無いがどこでも歩ける。足元を選んで左の尾根下を登りながら細い尾根に出る。右折して高所へ向かうと、深い谷越しに八葉山の山頂部がかすかに見えてくる。

●尾根から山腹を一登りして八葉山へ

一部に藪や雑木もあるが総じて歩きやすい尾根で、一本調子で登るうちに石灰岩が増えてきて主尾根に出て、広く平坦で雰囲気の良い二次林が少し続いた後、山頂下を巻く山腹道に出る。ここから山頂までは一様な植林帯で、切り開きがあればどこからでも登れそうな気もするが(赤テープもある)、左折して少し歩くと霊仙山の好展望地があり、道が植林に入って下りになる所で、山腹に取り付いて一登りすると、展望も山名札もない小広い草地の八葉山に着く。

帰路は松尾寺山から周回するルートをとって北の山道へ入り、道が消えた所で北西方向へ下ると、薄い尾根が現れ琵琶湖方面の展望が開く鉄塔下に出る。鉄塔から次のピークの西坂山と松尾寺山までは、明瞭な尾根筋があって歩きやすく、途中の分岐に注意すると、山道の交差する地蔵峠に出て、尾根を直進して松尾寺山に着く。

松尾寺山から松尾寺跡の間は、良い道があって寺門から林道に入り、分岐を左折すると一本道で養鱒場の駐車場に着く。なお地蔵峠から松尾寺山を省略して山腹道を下ると、二十分ほどの時間短縮になる。また未踏ではあるが、養鱒場から稚魚池の分岐で左をとると、谷沿い道から男鬼山で歩いた武奈林道に出て周回するコースも面白そうである。

【醒井養鱒場】醒井谷にある醒井養鱒場は、明治十一年創設で現在の敷地面積は東洋一で日本最古の養鱒場。鱒釣り、さかな学習館、虹鱒料理などの行楽や学習施設がある(有料)

【アプローチ】

□車・JR醒ヶ井駅南の分岐Xから35キロで登山口(醒井養鱒場)

■交通・JR醒ヶ井駅から醒井養鱒場バス停。

【その他の登山道】

◇柳峠東林道から山腹道(山慣れた人向き)