三百山ピークハント 向平南尾根から千草道(滋賀県東近江市〕 1 タイジョウ1061m 二次林帯が秀逸な雨乞岳北の稜線 |
千草道の桜地蔵
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雨乞岳から北へ派生する稜線が、杉峠の先で分岐して、一つがイブネから銚子ヶ口、黒尾山と続き、もう一つがタイジョウから水谷岳へ延びている。ともに長い尾根を引いて八風街道へ下っているが、杉峠から大差ない時間で歩けるイブネに比べて、知名度の低いタイジョウは歩く人が少ない。
しかし山頂は展望もなく地味な存在ながら、道筋の稜線に拡がる二次林帯の良さはイブネ以上で、八風街道への縦走の容易さも勝っている。従ってこの山城はタイジョウだけを目指さずに、稜線歩きを主にしたコース設定をとりたい。そこで単調な往復を避けて、前書の水谷岳で歩いた向平谷から一つ南の尾根を登り、タイジョウから杉峠に下って千草道を戻る周回で歩いた。
甲津畑を抜けて渋川沿いの林道終点に駐車して歩き始める。終点と言っても橋を渡るとさらに新造成の舗装林道が続いていて、そのままこの林道を歩き、本当の終点に出た所が
向平谷で、谷を渡って山道に出る。谷沿いを歩きながら、右手の斜面が緩くなった所で、谷を離れて山腹に取り付き、急登して尾根に乗ると、道はないが疎林の二次林が続き、立木の間を登るうちに、尾根が拡がって丘陵状になった先で稜線上のピークに着く。
稜線を右折した所で左端へ寄り、巨大なガレ場の上端から、銚子ヶ口方向の展望を眺めた後、アセビの茂る踏み跡を下る。やがて居根が拡がった後、急な下りに変わると、左手の佐目子谷側はガレや切れ落ちた急な崖になり、足元に注意しながら踏み跡をたどり、幾つかのピークを分岐する尾根を確かめながら登降するうちに、岩塊の集まる山頂下に出る。
迂回してタイジョウに登る
ここで岩の間を直登するのは一般向きではない(特に下るときは危険)ので、左から合流する尾根に谷地を下って回り込み、迂回してタイジョウに登る方が安全である。
二次林が覆って展望の薄い山頂から、分岐尾根に注意して方位を確かめ、東の稜線を緩く下る。すぐにヤセ尾根になり、相変わらず左手は急な崖沿いで足元も悪いが、シャクナゲの群生する小ピークを幾つか過ぎると、丘陵状に拡がる二次林の尾根になる。
平坦になって佐目峠へ折れる分岐あたりを「アゲンギョ」と呼ぶらしいが、広い尾根が続いて杉峠の頭から少し下ると、雄大な展望の拡がる草原からすぐに杉峠に着く。
特徴のある老杉の立つ峠から、右折すると由緒ある千草道で、しばらくは谷の渡渉や岩ガレで荒れた道が続くが、鉄橋を渡ると歩きやすい林道になる。登りは二時間半ほどかかる杉峠と駐車地の間も、下るときは四十分程度は短縮できるので楽に歩ける。
【造成林道】駐車地から向平谷(林道終点)までの間は、驚くほど広い立派な林道が造成されている(でも落石だらけで歩きにくい)。聞いた話では神崎川沿いに八風街道から造成している林道と結ぶらしいが、数年前から工事が中断されているようだ。造成の目的がよく解らないが、中途半端にしないで観光道路にでもすれば、鈴鹿の秘境が近くなって登山者は喜ぶかもしれない。
【アプローチ】
□車・八日市分岐から大安分岐へ5・3キロ、分岐Eから8・1キロで登山口(甲津畑から林道)。
■交通・東近江市永源寺支所バス停からタクシー。
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