三角点の山巡り

西坂地蔵堂から北尾根〔滋賀県米原市〕

12 松尾寺山(まつおじやま)503m

地蔵峠から松尾寺参詣道を巡る

松尾寺山(西坂集落より)
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登山口→山道→下山口
難易度 B C
安全度 A B
体力度 A A
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霊仙山の周囲には、前衛峰と言われる山々が数多く取り巻いている。西方の湖東平野側にも、霊仙山を隔てる山塊があって、その北端の山が松尾寺山である。霊仙山には中世のころに霊仙寺が建立され、その周辺には七つの別寺があった、と伝えられているが、最後まで堂宇の残ったのが松尾寺山中腹の松尾寺で、集落から参詣に通った信仰の道が今も数多く残っている。

湖東平野側の西坂と三吉からの道もその一つで、今回は西坂から地蔵峠へ登り、松尾寺跡へ寄って山頂から北尾根を戻ったが工業団地や巡視路もあって、楽に周回ができた。

米原インター近く(北陸自動車道の東)から樋口西の交差点を南へ入り、名神高速道をくぐるとすぐに、米原工業団地の広い車道になり、西坂集落に入る手前を左折して、傾斜のある舗装路を登ると西坂の地蔵堂に着く。数台なら地蔵堂の脇に駐車し、車が多いときは下の公開空地に駐車して歩き始める。

登山口は地蔵堂の裏に「松尾寺山ハイキングコース」の道標があり、左の林道に入らずに尾根に登ると、笹や雑木を切り開いた巡視路の溝道があって、十分ほどで鉄塔に出る。木立の上から西方の展望が少し開く鉄塔から上に進むと、急に夏草の覆う細道になるが、すぐに尾根下を巻く歩きやすい道になる。松尾寺までの距離を記した道標が幾度も現れ、尾根の左右を巻く古い道が広くなるとすぐに稜線上の地蔵峠に着く。峠を左折すると尾根沿いに松尾寺山へ直行できるが、コースの重複を避けて、直進する階段道を下って松尾寺跡に向かう。

山腹の道が南から東へ回り込み、石垣だけが残る勧善院跡の先で、醒井養鱒場からの林道に合流し、左折して寺門をくぐり、道標に沿って松尾寺跡に着く。

広い平地に礎石と御堂と由緒案内、そしてすぐ脇に九重塔の立つ寺跡から、右奥の道標に沿って山道を登ると、階段の付いた広い道に変わって鉄塔を過ぎ、尾根に出て右折した所で松尾寺山の三角点に着く。少し北にアンテナと夫婦杉(一本倒木)があり、琵琶湖方向の展望が開いている。

●帰路は北尾根から工業団地へ

地形図に破線のある北の尾根を帰路にとると、急な下りになるが、岩塊を越えて鞍部に出た所で、正面へ登る尾根筋を避けて左手の斜面を巻き(谷へ下りない)、薄い踏み跡が北東へ振った所で、北西へ山腹を下り右手の尾根に乗る。

尾根上には古い道形があり、ジグザグと下るうちに鉄塔に出て、その先から往路と同様に巡視路の良い道になる。分岐に出て左折するとすぐに名神高速道近くの舗装路に出る。左折して工業団地の道から駐車地へ戻る。分岐を右折すると樋口へ出るので遠くなる。

【霊仙寺七別院】

霊仙寺七別院は、松尾寺のほかに仏性寺(仏生寺町)、荘厳寺(荘厳寺町)、男鬼寺(男鬼町)、大杉寺(大杉集落)、観音寺(落合廃村集落)、安養寺(河内集落)があったとされるが、いずれも現存する寺跡も遺構もないらしい。

【アプローチ】

□車・米原分岐から関ヶ原分岐へ20キロ、分岐Mから17キロで登山口(西坂地蔵)

交通JR米原駅から徒歩1時間。