三角点の山巡り 多良谷林道から西尾根[滋賀県甲賀市〕 3 ベンケイ761m 黒滝から周回。県境稜線の舟石まで往復 |
ベンケイ(舟石から御所平間の後線より)
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南鈴鹿の山域に入ると、滋賀県側の山間部にも鮎河や山女原など、古くから集落が開拓され、山越古道などとともに発展してきた。田村川沿いの黒滝もその一つで、集落の東にベンケイがある。田村川を挟んだ能登ヶ峰と比べると、見どころもなく地味な山といえるが、近ごろは三角点を訪ねる人も多い。県境稜線にも近いため舟石や御所平へも楽に足を延ばせ、山慣れた人なら周回もできる。
ベンケイへの登山道は、地形図にも破線がある惣王神社からの尾根が一般的であるが、最近は神社の脇に「ベンケイ・舟岩登山口」の立派な道標も立って、滋賀県側では珍しく登山に対する地元の熱意が感じられる。なお「舟岩」はベンケイから県境稜線に出た所のピークで、舟石と同義語である。
黒滝集落に入り、惣王神社左の田村川沿いの広場に駐車して歩き始める。登山道標識の立つ西尾根(神社尾根)を帰路にとり、往路は多良谷林道から南西に派生する尾根を直登するコース設定で、神社の前から東へ延びる林道に入る。数軒の家を過ぎると、太郎谷川に沿った地道となり、十五分ほど歩いたカープミラーが立つ所で、造成間もない堰堤の横から、簡易舗装された急坂の林道に折れる。同じ林道でも岩屑が多く傾斜もあって歩きにくいが、林道の終点になった所で、少し手前の緩い斜面の植林下から右手の尾根に登る。尾根に乗ると下草もなく歩きやすいが、すぐに見上げるような急斜面になり、巻き道も無いので立木を手掛かりに、息を切らして直登するうちに正面が岩壁で阻まれる。そこから左に薄い踏み跡があり、山腹を巻いて行くとテープ目印があって尾根に戻り、傾斜の緩んだ尾根を高所へ登って、主尾根に出た所でベンケイに着く。
●県境に出た所で展望の開く舟型の岩
植林やアセビに覆われて展望のない山頂から東の県境稜線へ向かうと、植林と二次林を分ける広い尾根道が続き、ピークを下った鞍部で、雪害か台風禍で倒木が散乱する場所を過ぎると、登りに転じてテープ目印が多い県境稜線の分岐に出る。左折してすぐの高所が舟石で、山名札の東側に背の低い舟形の岩があり、上に乗ると東方の展望が開いている。時間に余裕があれば、北の御所平へ往復するとさらに充実したコースになる。
帰路は来た道をベンケイまで戻り、分岐にテープ書きした「神社尾根」方向の西尾根へ下りる。尾根はかなりの急降下になるが明瞭な踏み跡があり、低いピークの先でヤセ尾根になった後、尾根が拡がってくると鹿除けネット沿いになる。かなりの距離で尾根沿いをネットが出たり消えたりするが、歩く目印になるし植林越に展望の開く所もある。
その先で尾根を下りるときは少し紛らわしい所もあるが、踏み跡に注意して尾根を外さずに下ると、やがて道脇に笹が増えてきて、前方に神社や集落の建物が見えてくる。笹の切り開きから登山口道標の立つ神社入口に出て、駐車地に戻る。
【アプローチ】黒滝まで第一部(44)能登ヶ峰と同じ(黒滝公民館駐車場手前から惣王神社へ0・3キロ)。
【その他の登山道】
◇石水渓から県境稜線(安楽峠または臼杵山から)
◇田村川林道から県境稜線(御所平へ登り、舟石からベンケイを下る周回。山慣れた人向き)
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