三角点の山巡り

ノタノ坂巡視路から宮の谷林道(滋賀県東近江市〕

1 ヒキノ843m

2 旭山   (あさひやま)755m

御池岳南西稜線の三角点二峰を歩く

旭山(巡視路尾根より)
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登山口→山道→下山口
難易度 C C
安全度 B B
体力度 C B
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御池川と茶屋川を隔てる稜線を「第一部・岳」の項で触れたが、御池岳の南から土倉岳、ヒキノ、旭山岳の三角点峰がほぼ等間隔に立ち並び、並行する送電線と鉄塔用の整備された巡視路と鉄塔下の好展望、それに鈴鹿らしさの溢れる二次林が豊富で、これらの山は歩きがいのある山域を構成している。

しかし四山を一度に縦走するのは長丁場になるしコース設定も難しい。そこでコースを三分割して、ノタノ坂から北方の土倉岳までと、宮の谷林道から岳までの両端を別にして、稜線中間のノタノ坂から宮の谷林道までを紹介する。この山域にはヒキノと旭山の三角点峰があり、鉄塔ごとに好展望が開き、歩きやすい巡視路が続く楽しいコースである。ただし登山口と下山口の車道が長いので、置き車が配置できることが条件になる。

八風街道の蓼畑から分岐する車道に入り、政所集落外れの宮の谷林道近くに置き車をして、木地師の里・君ヶ畑からさらに三キロほど御池林道を走り、小又谷林道分岐脇の駐車地から歩き始める。分岐から巡視路が始まっていて、表示板に沿って谷沿いの林道と山道から稜線上のノタノ坂に出る。

稜線を右折すると、平坦で快適な巡視路がヒキノへ向かっている。鉄塔表示板を確かめながら、巡視路をたどると、三カ所の鉄塔下で好展望が開き、雰囲気の良い二次林に尾根の両側が覆われてきてヒキノに着く。

●山頂はいずれも展望が優れない

山頂周辺は木立が伐採され切り開かれているが展望は優れない。ヒキノのすぐ先に鉄塔があり、そこから草地の拡がる台地状になって次の鉄塔を過ぎると、植林下の尾根が次第に拡がって踏み跡が不明瞭になってくる。ここは二重山稜のような右手の植林帯に入らずに、左の雑木と植林の境を緩く下ると、鉄塔表示板が現れ道が明瞭になってきて、低い尾根を巻く山腹道から二次林下の尾根に入って旭山に着く。この山頂も立木が伐採されているが展望は優れない。

旭山の先も二次林の良い巡視路が続き、右手が若木の植林帯となった所に古い道のあった山の神峠に出る。ただし峠から茶屋川方向の道は定かでなく、政所へ下る谷道も廃道状態で推奨できない。そこでその先の鉄塔から植林下を分岐(地図・稜線分岐)に出て、右折した先の鉄塔から巡視路を下ると宮の谷林道に着く。林道を歩いて政所集落へ戻り、置車で登山口の駐車地間を送迎する。なお集落道途中の君ヶ畑と蛭谷集落は、惟喬親王ゆかりの木地師の里で、木地師資料館、高松御所、筒井御陵などの見どころがある。

【ノタノ坂から】ノタノ坂から北の稜線上も、鉄塔下の好展望と巡視路の良い道が続いて土倉岳へ往復2時間半で行ける。ノタノ坂から東の茶屋川に下ると、かつて鉱山採掘で賑わった集落跡の茨川があって、土倉岳から周回することもできる。

【アプローチ】

□車・八日市分岐から大安分岐へ151キロ、分岐Nから109キロで登山口。

交通・東近江市永源寺支所から君ヶ畑バス停、徒歩45分。