五十名山 釣部谷林道から南尾根(滋賀県東近江市〕 49 押立山(おしだてやま)771m 湖東平野の秀峰も植林が覆う山頂 |
押立山(愛東道の駅から)
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湖東平野側の国道から眺める鈴鹿山地は、県境稜線は遠く雨乞岳や綿向山は離れ霊仙山は隠れて目に付く山が少ない。そのような中で、東近江市北部の田園越しに堂々とした山容を見せるのが押立山で、里山では鈴鹿有数の秀峰であるとともに、滋賀県側では貴重な存在の山である。 惜しいことに、以前は歩くことのできた国道側の林道が、近ごろではすべて厳重にネットが張られて入山が不可能になった。そこでやむなく山の裏手に廻り、角井峠東の鈞部谷林道から巡視路を歩き、帰路は南尾根を地形図頼りに下って登山口近くへ周回した。地図読みが不得手なら往路を戻っても良い。 湖東三山の一つ百済寺の手前で、角井峠方向へ行く山間の道に入る。目印は無いが、車で五分ほどで、登りから下りに変わるところが角井峠で、左手に注意しながら走り、ゲートのある林道と工場風の建物が現れた所で、近くの空き地に駐車して歩き始める。 ゲート脇から釣部谷林道へ入り、谷沿いの地道を終点まで歩くと、巡視路の鉄塔標示があり、右折して堰堤の上を渡ると、階段の付いた巡視路になる。山腹の急な登りから尾根に出た所でわずかに右へ寄ると、塔脚の間から日本コバ方向の展望が開く鉄塔に着く。少し戻って北の尾根に入ると、広く良い尾根道があり、好展望の植林(幼木)を過ぎて交差する尾根に出ると、再び林道が現れて驚くが、林道の先も明瞭な尾根道が続き、難なく押立山に着く。 ●南尾根は山慣れた人向き 植林や雑木に囲まれて展望の優れない山頂から南の突端に出ると、以前は湖東平野の大展望が開いた場所がある。しかしここも植林が育って年ごとに視野は狭くなっている。 帰路は南尾根から戻るコースをとって、植林と雑木の境へ入る。途中に幾カ所もの小ピークと分岐する尾根があるので、その都度磁石で方位を確かめる必要はあるが、それができれば藪分けも少しあるが無難に歩ける。やがて尾根が拡がってきた先で、峠状の鞍部に出る。地図に旧道鞍部と記した所で、左右に広い道型があって、地形図に破線の残る大峠への道と思い、このルートから戻るつもりで右折して少し歩くと、すぐに古い道は薄くなり谷へ下りそうになったので、諦めて鞍部まで引き返した。 鞍部から正面の低い尾根に乗り、尾根なりに左へ回り込んで高いピークのある手前で、植林下の山腹を南へ下ると、伐採材が散乱して歩きにくいがすぐに杣道に出た。細い谷沿いに道が続き、堰堤の右から草を分けると車道に出た。こちらから登るときの目印は無いが、正面にトタン壁の建物がある。左折して五分ほど歩くと駐車地に戻った。 【参考】湖東平野側では数少ない登行欲の湧く良い山なのに、国道側の林道も宇曽川ダムから山の東側へ延びている林道も、ネットやゲートで閉鎖されて入れない。松茸山なら期間限定(通常は九月から十一月)で済むと思うが、登山者不遇の山といえる。 【アプローチ】 □車・八日市分岐から多賀分岐へ2・8キロ、分岐Rから7・5キロで登山口駐車地(角井峠の東)。 ■交通・近江鉄道豊郷駅から百済寺バス停、徒歩1時間20分。 |
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