五十名山

岳不動道から北東尾根(三重県菰野町〕

45 雲母峰(きららみね)888m

鋸刃のような峰を連ねる山

雲母峰(湯の山街道より)
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登山口→山道→下山口
難易度 B D
安全度 B B
体力度 B B
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鈴鹿山地の里山では、雲母峰は格別に存在感を持った山である。御在所岳や鎌ヶ岳の前衛峰として、湯の山街道の入口でそびえる山。山麓の水沢町から眺めると鋸刃のような峰を連ねて、南隣の入道ヶ岳に比肩する山体を持った山。往古から山岳宗教や大河原越の人々から仰ぎ見られ、現在は湯の山温泉街と結んで東海自然歩道が山腹の雲母高原を巻く行楽の山として、里山にありがちな登山者を敬遠する風潮もなく人々に親しまれている。

今回は雲母峰の数多い登山道の中から、湯の山側の代表ルートとされる岳不動道を登り、北東尾根から蛇不老山へ立ち寄って周回した。帰路の尾根は幾分複雑であるが、林道の位置と方位を把握して下れば、さほどの困難はないと思うし林道を戻っても良い。

湯の山温泉駅から登山口の間は、地図(周辺図)を参照にアプローチし、岳不動近くの駐車地から歩き始める。分岐道の右へ入り、堰堤の手前で道標を見て山道へ登る。谷沿いになって道標が現れた所で植林下の山腹へ折れると、途中に雑木や倒木が覆って不明瞭な部分もあるが、その前後は明瞭な踏み跡が続いて最初の林道に出る。

林道口には雲母峰や岳不動の道標があって解りやすい。さらに林道を一つ挟んで、小谷沿いの山腹から林道終点に出て、植林下をジグザグと登った山頂部の鞍部から、左折すると数分で雲母2峰に着く。広い敷地があって展望も良く、大勢で過ごしやすい山頂から、続いて鞍部へ戻り、登り返して三角点を埋めた雲母峰(本峰)に着く。

●ドーム状の蛇不老山へ立ち寄る

狭い切り開きで展望の優れない山頂から、帰路は北東尾根を下って林道に出て、蛇不老山へ立ち寄って戻る周回で、鞍部方向へ少し戻った途中で左の尾根に入る(雲母峰山頂から北へ直降する尾根に入らない)

尾根左端の雑木沿いから、次第に尾根が拡がってくるが、北東を確かめて尾根を下ると、林道が見えてきて反射板近くに出る。道がカーブする所で再び尾根に入って左端を下ると、右手に高い尾根が現れる。気にせず左の尾根筋から、右の尾根末端を巻いて東へ下ると、正面にドーム状の蛇不老山が現れ、林道も見えてきて、足場の良い所から道に出る。

林道を左折すると、道が大曲がりした先で岳不動の道標が現れ、すぐ左には蛇不老山の尾根口がある。ここから登って往復しても良いが、林道を数分歩くとテープ目印を付けた登り口があって、周回することもできる。岳不動の道標から山道へ入ると、良い道があって谷沿いになった後、往路で分けた分岐で合流して駐車地に戻る。往路の往復だけでは見どころも少なく単調になるが、蛇不老山も含めて周回すると面白いコースになる。

なお山道を戻らずにそのまま林道を歩くと、東海自然歩道に出て駐車地へ戻ることもできる。

【アプローチ】

□車・湯の山分岐から湯の山温泉駅へ3.2キロ、駅手前から23キロで登山口(岳不動駐車場)

交通・近鉄四日市駅から湯の山温泉駅、徒歩40分。

【その他の登山道】

◇宮妻登山口から南尾根(バス停から12キロ)

◇東海自然歩道から小林新道(宮妻登山口の北)

◇湯の山から稲森谷(稲森谷から西尾根)