五十名山

西南尾根から政子南尾根(滋賀県甲賀市〕

41 奥草山(おくくさやま)820m

政子からは野洲川ダムの展望

奥草山()と政子(大河原より)

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登山口→山道→下山口
難易度 B C
安全度 B B
体力度 B B
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日野町から鈴鹿スカイラインに向かって国道を走ると、平子集落に近づいた所で、二つの峰をもった迫力のある山塊が東に見えてくる。綿向山から南へ派生する尾根上の山で、左が奥草山で右が政子という山名の、湖東平野側の南部ではかなり目立つ存在である。山麓から見る山体は全山が植林で登山人気は低いが、登山路は綿向山から尾根伝いで歩けるし、山裾から手短に周回できるコースもある。

以前は通行できた野洲川ダムの堰堤から政子に通じる尾根道は、堰堤口が閉鎖されて今は通れない。そこで国民宿舎(かもしか荘)から奥草山へ登り、政子から直降する周回で歩いた。戻りのルートが少し紛らわしいが短時間で歩けるし、置き車も必要ない。

かもしか荘の駐車場から歩き始め、橋を渡って日野町方向へ五分ほどの、人家の途切れた所から林道へ入る。谷沿いの荒れた地道を終点まで歩き、右手の小尾根を回り込んで古い作業道を登ると、すぐに尾根沿いの杣道になる。ここを右折すると、後は奥草山まで一本道の尾根筋で解りやすい。

尾根下の巻き道を登るうちに、植林下の急傾斜を直線的に急登する広い道になる。急登が続いて息が切れるころ、ようやく周囲が明るくなって二次林帯に入り、左手の植林の境を登り詰めると、綿向山と水無山の展望が開く山頂台地に出て、樹木の途切れた草原を高所へわずかに歩くと、二次林に覆われた奥草山の山頂に着く。

奥草山から南の踏み跡を緩く下ると、アセビや雑木の茂る平坦な尾根になり、小ビークを右に折れるとすぐに政子(三角点名・鶏岩)に着く。雑木の間から南東へ一分ほどの突端に出ると、御在所岳や雨乞岳、そして野洲川ダムを俯瞰する大展望の開く場所があり、この見どころは忘れずに立ち寄りたい。

●方位を確かめ「かもしか荘」へ

山頂まで戻り、帰路は南へ下る雑木の切り開きへ入ると、すぐに尾根筋になって石柱を埋めた小ピークに出て、その先で野洲川ダム方向へ左折するテープ目印を見るが、折れずに直進して南へ進む(小ビークでシルバコンバスを真南にセットしておくと後の方向がとりやすい)。下り斜面の二次林下になると、山腹が拡がって踏み跡も薄くなるが、左へ寄ると雑木が密生する尾根端に出て、境を下るうちにテレビアンテナの立つ裸地に出る。

一息入れて南の樹林に入り、尾根なりに右に振りながら下ると、急降下になって大岩を巻く所もあるが、すぐに尾根が消えて、枝打ちした植林下に出る。下草もなくどこでも歩けるが、歩いたときは伐採材が散乱していて、太い倒木を除けたり跨いだりしながら急降下したが、道も尾根もないので歩く方向が怪しくなったときは南の方向を確認しながら下るうちに、大河原園地の道に出る。かもしか荘では日帰り温泉があるので汗を流して帰ることもできる。

【アプローチ】

□車・日野分岐から武平峠へ13.0キロの大河原分岐に登山口(かもしか荘)

交通JR草津線甲賀駅から大河原バス停(かもしか荘前)

【その他の登山道】

◇綿向山から南尾根(山慣れた人向き)

奥草山林道から植林道(小屋脇にテープ目印)