五十名山 クラシ北東尾根から千草道(滋賀県東近江市〕 40 イブネ1160m 鈴鹿の秘境。山慣れた人向き |
佐日峠から見るイブネ
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鈴鹿最奥の秘境といえば、大方の人は雨乞岳と銚子ヶ口を結ぶ稜線上の「イブネ」を思い浮かべる。鈴鹿山地に分け入る車道や林道をアプローチして、最短のルートで山頂に立とうとするとき、確かにイブネやその北のクラシは、どの道をとっても長丁場で、陽の長い季節の早立ちが条件になる。加えて踏み跡が薄い所も多いので山慣れた人向きである。 イブネやクラシが東海・近畿の双方で人気が高くよく歩かれるのは、周辺の山から遠望する秘境への憧れか、あるいは挑戦心であろうか。そのイブネは、台地状の山頂部でクラシと銚子とともに一画を占めているが、背を越える笹も十年ほど前から枯れて歩きやすくなり、雄大な展望も随所で開いて、知名度は低いが鈴鹿では指折りの名山である。 イプネ、クラシの登山道は、古道で知られる千草道を、東西の一方から杉峠経由で登るのが一般的で、三重県側ならさらに幾通りかの変則ルートもある。その中から今回は、三重県側からクラシ北東尾根から登って千草道を戻る周回で歩いた。 朝明駐車場(有料)から歩き始め、根の平峠からタケ谷沿いを下って愛知川に出る所までは、荒れた岩道が多いが道はよく踏まれて解りやすい。対岸の切り開きを確かめて愛知川を渡ると左岸にも良い山道があってすぐに分岐に出る。(愛知川の水量の多いときは靴を脱いだ方が無難、道筋は16水晶岳の項参照) ●二次林の尾根からクラシへ 直進する川沿い道を離れて左へ入ると、突当たりの谷がクラシ谷で、渡渉して低い尾根を越えて右の支流に出て、谷沿いから歩きにくい谷中を少し遡行し、右手に尾根の鞍部が現れた所で、溝地を急登して尾根に乗る。なお尾根の末端が川沿い道に下っていて、後日歩いたときにほぼ同じ時間で鞍部へ出ることが解った(地図では尾根筋ありと記した所)。 なおこの尾根はクラシ谷とオゾ谷の間からクラシへ突き上げていて、二次林からシャクナゲの群生が続く中を急登し、尾根が拡がった高所でクラシに着く(帰路に使うと尾根の分岐が難しいので要注意)。 山頂部の樹林を抜けると、イブネに続く平原状の台地は、来るたびに笹が消えて低い草地に変わり、見通しが良くなったので踏み跡が少々薄くても楽にイブネに着く。 御在所岳や雨乞岳の展望が開く草原台地を下り、樹林の尾根になって佐目峠へ出て、西の尾根筋から「杉峠の頭」を下って特徴のある老杉が立つ千草道の杉峠に着く。 雨乞岳と甲津畑へ道が分岐する峠から、左折して谷地へ細い溝道を下ると(テープ目印も多い)、鉱山跡らしい平坦地に石積や階段の遺構が現れ、道も明瞭になってくる。二次林下の平坦地から最初の支流を渡った所に、佐目峠へ登る踏み跡と道標があり、ここから先は谷の左岸を高巻きながら、広い山腹に通じた古道の良い道を緩く下り、本流、コクイ谷、上水晶谷を渡渉して根の平峠へ出て、さらに一歩きして駐車場へ戻る。 【アプローチ】6釈迦ヶ岳と同じ 【その他の登山道】 ◇甲津畑から千草道(雨乞岳ルートで杉峠を左折) ◇朝明渓谷から小峠(イブネ北端尾根ルート) ◇朝明渓谷から千草道(杉峠手前から佐目峠直登) ◇朝明渓谷からオゾ谷(クラシ北東尾根に合流)
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