五十名山 北尾根から北西尾根(滋賀県東近江市〕 37 黒尾山(くろおやま)948m 庭戸山巡視路から山頂へ |
黒尾山(笠松山からダム越しの展望)
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雨乞岳から北へ佐目子谷を挟んで二本の長い稜線が走っている。東の稜線はイブネ・銚子ヶ口・黒尾山などの峰を起こしているが、永源寺ダムの南東山域を占める黒尾山は知名度以上に存在感があって、歩く価値のある山だと思う。ただし北尾根は難路。
永源寺ダムを取り巻く山域は、北の日本コバと南の水谷岳、そして東の黒尾山に大別される。三山の中では日本コバと水谷岳はよく歩かれているが、黒尾山は歩く人が少なく安定した登山道も少ない。しかし銚子ヶ口からイブネへ続く長い稜線とつながり、山容も日本コバとどこか似ていて、重要な位置にあって存在感は決して低くない山である。
黒尾山の登山道で歩きやすいのは、大滝神社近くから巡視路を利用して直登する北西尾根で、これと庭戸山へ下る北尾根を組み合わせると手ごろな周回コースになる。ただし北尾根は岩尾根や急斜面が多く、難度が高く一般向きとは言えないが、今回はダム東端の林道から庭戸山へ登り、北尾根から北西尾根を下る周回で歩いた。
永源寺ダムの東端で、愛知川を挟んで国道と並行する林道へ、入口に駐車して歩き始める。緩い傾斜の舗装路を歩き、二つ目の谷に出た所で、水流のないガレ谷へ入って正面の尾根に乗ると、道は無いが二次林下の歩きやすい尾根が延びている。拡がった尾根を過ぎると、大岩が連続する岩尾根になり、岩の間を越えて最後に山腹を急登すると丸山からの稜線に出る。右折するとすぐに好展望の鉄塔から次の鉄塔手前で庭戸山の山頂に着く。
崩壊した岩尾根通過は慎重に
庭戸山から巡視路で次の鉄塔に出て、南へ下ると明瞭な尾根が現れ、鞍部の腰越峠から長い登りの北尾根になる。この尾根は下るときは複雑な分岐があって難しいが、登るときは高所へ向かうので問題はない。ただし崩壊した岩尾根の通過があり、尾根の上端は不安なのですぐ下をトラバースしたが、ロープを携行して張らないと危険である。またその先の急登でも、立木や木の根がつかめずロープの欲しい所がある。やがて植林下になると道が安定し、広い山腹から主尾根に出ると、わずかに登って銚子ヶ口への尾根分岐がある最高点から黒尾山の山頂に着く。
木立で展望のない山頂から、北西尾根を帰路にとり、西へ直進するとすぐに植林と雑木の境を下る北西尾根になる。尾根が拡がって踏み跡が薄くなる所は左の尾根端に沿って下り、尾根の分岐に出た所は、北へ直進する尾根に注意して、ほぼ直角に西へ曲がると、テープ目印のある尾根になり、急降下した鞍部で巡視路表示の立つ鉄塔分岐に出る。ここから二通りの巡視路になり、分岐から山腹を下って左手の鉄塔に出ると、その先は解りやすい巡視路になって一般向き。一方の巡視路で尾根を直進すると、二つ目の鉄塔から先が山腹になって紛らわしくなるが、北西に下ると谷の鉄橋を渡って合流して国道の巡視路口に出る。さらに数分で駐車地に着く。
【アプローチ】
□車・八日市分岐から大安分岐へ11・5キロの巡視路入口(菅尾大滝神社)から駐車地へ0・2キロ。
■交通・東近江市永源寺支所から菅尾バス停、徒歩10分。
【その他の登山道】
◆紅葉尾から庭戸山巡視路で北尾根
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