五十名山

割山北尾根から西尾根(滋賀県東近江市〕

36 不老堂(ふろうどう)845m

八風谷橋から神崎橋へ尾根縦走

不老堂(紅葉尾集落から)

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登山口→山道→下山口
難易度 C C
安全度 B B
体力度 B B
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竜ヶ岳から国見岳にかけての県境稜線上から、よく目立つ双耳峰のような山が西方に見える。この山が不老堂と割山で、割山のほうが標高が高く三角点もあるが、八風街道を東進して紅葉尾集落に近づくと、正面に現れるのが不老堂で、北にそびえる岳と対照的に、小振りで秀麗な山容は、いかにも里山らしく親しみを感じさせる山である。

不老堂も割山もともに登山道や見どころが無く面白みにも欠けるが、存在感があるだけに一一度は歩いておきたい山で、八風谷と神崎川の国道出合の一方に置き車をして縦走すると、山慣れた人向きの条件はつくが、手ごろな時間で充実した山歩きができる。

本書は八風谷橋から割山へ登り、不老堂から神崎橋へ下るコース設定としたが、登山口と下山口の距離が長いので、置き車ができないときは逆コースで歩いたほうが、車道歩きが下り傾斜になるので楽だと思う。

下山口の神崎橋東の駐車場に置き車してさらに県境方向へ走り、八風キャンプ場へ入る林道手前の、八風谷橋近くの空き地に駐車して歩き始める。防護壁の端から土手を登って山手へ出ると、伐採した植林が散乱して予定した荒谷沿いの道が消えている。やむなく周辺を探すと、左手に踏み跡があってテープも付いている。地形図で確かめると谷の東沿いから山頂へ通じる尾根筋らしく、テープに沿って登ることにした。

山腹の薄い踏み跡から尾根に乗って急登し、植林下を過ぎて岩尾根に変わったあたりから、岩や藪を巻いて歩きにくくなるが、尾根を外さないように登ると、一部に藪分けはあるが荒谷道より安全で、解りやすく割山の三角点に着いた。

●踏み跡に注意して尾根をつなぐ

木立で展望のない山頂から、西の尾根に入って不老堂に向かう。すぐに登りになって割山の最高点に近づくと、シャクナゲが密生して尾根が歩きにくくなる。尾根下を巻きながら南西方向の支尾根に注意して正規の尾根に戻ると、ヤセた岩尾根になって岩を巻きながら鞍部へ下り、尾根が拡がった斜面を、岩を避けながら踏み跡に注意して登りきった所で不老堂に着く。この山頂も木立に囲まれた狭い一画で展望はない。

不老堂から西の尾根に入って帰路につく。尾根はほぼ一直線で、西から少し南西に振った後、北西に向きを変えて神崎橋方向へ下っていくが、尾根が拡がる所は薄い踏み跡とテープ目印に注意して尾根をつないでいく。

中ほどの紛らわしい尾根分岐に注意し(行き過ぎたときはトラバースして修正するテープ目印もある)、その後は倒木や崩壊で荒れた尾根や、尾根か山腹か解からない斜面もあるが、テープと方位を確認して北西に下ると、好展望の明るい草地から植林地に入って置き車のある駐車場すぐ脇の車道に出る。

蛇足ながらこのコースは、どちらから歩いても登りは良いが下りは尾根が複雑で紛らわしい。万一尾根を外れたときは、国道側にエスケープすることを心掛けたい。

【アプローチ】

□車・八日市分岐から大安分岐へ214キロで登山口

交通・東近江市永源寺支所から黄和田バス停、徒歩10(ただし下山口までの距離。登山口は1時間加算)