五十名山 衣掛林道から山頂部周回〔滋賀県東近江市〕 34 日本コバ(にほんこば)934m 永源寺ダム北で広大な山域を持つ山 |
日本コバ(永源寺ダムより)
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愛知川水系の水を集める永源寺ダムの北で、屏風を立てたような山容でそびえる山が日本コバである。永源寺から百済寺、そして蛭谷など木地師の里におよぶ広大な山域をもって、里人の暮らしと関わり深かったことが、周辺から登る道の多さでうかがえる。
多くの登山道も、現在よく歩かれるのは藤川谷と政所川西からの道だけで、そのほかは踏み跡が薄く複雑な分岐も多く一般向きではない。ところが近年もう一つの良い道が拓かれた。それが紹介する衣掛林道ルートで、木地師の祖と言われる惟喬親王御陵や、盤石のなどの見どころがあり、技量に応じて山頂からの往復や周回の選択も可能である。
八風街道から政所道に入り、蛭谷集落を過ぎた分岐で君ヶ畑方向へ折れずに直進すると、建物が現れた先に林道入口があり、その少し先で惟喬親王御陵の広い駐車場に着く。鳥居を作って御陵内を歩き、簡易路の突き当たりで右手の低い尾根に移り、尾根なりに歩いて林道に出る。簡易舗装や地道の混じる林道を緩く登るうちに、右手の道標を見て盤石の丘に立ち寄ってみる。五分ほどで伐採した山頂に出て、巨大な岩やベンチのある周囲から琵琶湖方面の広大な展望が楽しめる。
林道へ戻って落石の散乱する道を少し歩くと林道終点に着き、切削した山肌の手前から尾根に乗ると、すぐに政所川西へ下る登山道と合流する。右折した先のピークが衣掛山で、植林沿いの尾根から日本コバの白い道標を見て左折すると、わずかに歩いて岩屋へ下る分岐に出る。ここから先は藤川谷道の登山道で、明瞭な踏み跡とテーブ目印を確かめながら、湿地帯から流れる清流を渡り、二次林下の山腹を緩く登って日本コバの山頂に着く。
●衣掛林道へ戻る分岐に注意
帰路は来た道を戻ると解りやすいが、変化を求めて周回して戻る歩き方もある。
山頂から北西へ出た永源寺尾根で、道標のある分岐(E)で永源寺尾根を離れて、角井峠へ向かう北東の尾根に入る。ここを正確に右折すると、尾根は二次林下に古い踏み跡もあって難しくないが、十分ほどで右折する分岐(F)はかなり解りにくいので、平坦尾根入口のN字状の枝がある古木と薄い踏み跡を目印にする。分岐を通り過ぎたときは「日本コバあと三キロ」の古い大きな道標を掛けた所からわずかに戻る尾根で、この先からすぐに急降下になるので注意する。また近くの紛らわしい尾根に入るとすぐに急な下りになるので、これも注意してすぐに戻る。この尾根(衣掛尾根と仮称)に入ると、高度差のない尾根筋に明瞭な踏み跡があり、雑木と植林の境を踏み跡に注意して歩くうちに往路の分岐(B)に出る。
なお林道方向へ左折する分岐(A)には「大山谷林道」の道標がある。林道の戻りで御陵へ入らず直進して車道に出たが時間差はほとんどなかった。
【アブローチ】
□車・分岐Nから6・2キロで登山口(親王御陵)。
■交通・東近江市永源寺支所から蛭谷バス停、徒歩25分。
【その他の登山道】
◇蓼畑から藤川谷(政所郵便局裏に登山口)
◇政所川西から衣掛山東尾根(藤川谷道に合流)紅葉荘跡から笠松尾根(東海自然歩道から)
◆永源寺から永源寺尾根(山慣れた人向き)
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