五十名山

岩尾谷からサンヤリ尾根[滋賀県東近江市〕

33 天狗堂(てんぐどう)988m

サンヤリ、滝谷山、ミノガ峠へ縦走

天狗堂(サンヤリ南の稜線より)
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登山口→山道→下山口
難易度 B D
安全度 B B
体力度 B D
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御池岳の西側を南の日本コバから大君ヶ畑にかけて長い稜線が通っている。稜線中間の君ヶ畑西方からミノガ峠までを占める山域には、主峰の天狗堂、サンヤリ、滝谷山が続いていて、その重畳とした山並みの様子は、御池岳の山頂台地から眺めるとよくわかる。

木地師の里で知られる君ヶ畑の北で、鎌ヶ岳に似た鋭鋒と、御池岳の展望台といわれる景観の良さで人気の高い天狗堂は、君ヶ畑周辺から数本の登山道もあるが、御池谷沿いに林道が通じていて、北のミノガ峠に置き車をすれば、君ヶ畑近くから天狗堂に登り、サンヤリと滝谷山を経て、ミノガ峠へ縦走することも楽にできる。と言ってもかなりの長丁場なので、その場合は短時間で歩ける岩尾谷から登り、滝谷山から尾根を直降するのが時間効率から最善だと思う。なお逆コースで歩くことももちろんできるが、分岐尾根の複雑度が高くなるのが難点である。

多賀町霜ヶ原から御池林道に入り舗装路を登降しながらしばらく走ると、道が拡がって展望が開き、林道の分岐するミノガ峠に着路肩に置き車をしてさらに林道を下り、道標の立つ岩尾谷登山口前に駐車して歩き始める。岩尾谷道は君ヶ畑集落からの登山道より早いし下山口にも近い。

道標の脇を直進して谷沿いに出て、踏み跡に注意して谷を離れ、山腹をジグザグと登って小尾根に出る。尾根沿いには踏み跡があり、尾根から山腹に変わり、点在する大岩を避けながら登ると主尾根に出た所が山頂部で、少し先で展望岩のある天狗堂に着く。

●シャクナゲ群生尾根を歩く

展望岩で御池岳方向の景観を鑑賞後、サンヤリに向かって大岩の間を北へ下ると、すぐに明瞭な尾根筋になる。途中にシャクナゲが群生する藪尾根もあるが、紛らわしい所は無く、郡界尾根をたどって行くと、右手が伐採して展望が開き、正面に立ち塞がるような低い尾根に登った所でサンヤリに着く。振り返ると天狗堂がそびえ、尾根の突端に出ると御池岳が全景を見せる展望地もある。

サンヤリから岩混じりの細い藪尾根を北西に下ると、すぐに二次林下の良い尾根になる。途中にはシャクナゲやアセビが群生する藪尾根も交互に現れ、紛らわしい分岐尾根もあるが、尾根筋を外さないことと分岐ではその都度方位確認をしながら歩く。やがて見えてく正面左手の鉄塔に寄りながら、植林下の踏み跡に注意して歩くうちに、巡視路の良い道に出る。右折して鉄塔を二つ過ぎ、次の鉄塔手前で(鉄塔に出て戻る方が解りやすい)、藪尾根に入り高所へ登って、木立の間から展望の開く滝谷山に着く。

ミノガ峠へ下る尾根は、雑木が伐採されて解りやすくなり(以前は山腹を迂回)、切り開きから一度谷へ下り、左の尾根に移ると低い笹尾根道が続き、そのまま林道へ出てミノガ峠に着く。なお御池林道は双方から国道へ出られるので都合の良い方を走れる。

【アプローチ】

□車・八日市分岐から大安分岐へ151キロ、分岐Nから95キロで登山口(駐車場)。または多賀分岐から霜ヶ原経由253キロで登山口。交通・東近江市永源寺支所から君ヶ畑バス停、徒歩25分。

【その他の登山道】

君ヶ畑から南西尾根(器地祖神社から)