五十名山 鞍掛橋巡視路から御池谷〔滋賀県多賀町〕 31 鈴ヶ岳(すずがたけ)1130m 32 茶 野(ちゃの)938m 草原と石灰岩の散在する大展望の茶野 |
鈴ヶ岳(滝谷山より右奥は御池岳)
|
|||||||||||
-------------------------
|
||||||||||||
御池岳の山頂北(鈴北岳)から、県境稜線と分離して北西の大君ヶ畑に向かって派生する尾根があり、尾根上には鈴のような形状をしたドーム状の鈴ヶ岳と、山容は目立たないが雄大な展望の開く茶野がある。御池岳の衛星峰ながら存在感のある鈴ヶ岳と、草原に石灰岩が点在するいかにも鈴鹿の山らしい雰囲気を持った茶野は、鈴鹿北部ではともに指折の秀峰で、二山を通して歩く人も多い。
それぞれの山を個別に歩くときは、鈴ヶ岳は御池岳とともに御池谷や鞍掛峠から登り、茶野は大君ヶ畑から尾根を直登するルートがよく歩かれるが、二山を周回するときは鞍掛橋から巡視路で桜峠へ登り、茶野を往復して鈴ヶ岳から御池谷を下ると、同じ場所へ周回できるので置きも必要なく歩きやすい。
そのコースを紹介すると、県境の鞍掛トンネルを西へ下り、冬期閉鎖用のゲートを過ぎて谷沿いになって、鞍掛橋を渡った所が登山口で、付近の路肩に駐車して歩き始める。橋の脇に分岐する御池谷林道があり、林道入口の右手に巡視路の鉄塔表示が立っている。表示と火の用心(関西電力の標識)を確かめて草の茂る藪を分けると、すぐに植林下の踏み跡から尾根に乗って急登になる。巡視路特有の階段もなく、小谷を幾度か渡って好展望の鉄塔に出て、二つ目の鉄塔を過ぎると、急斜面の直登を避けて、緩い傾斜で山腹をトラバースする道に変わって、稜線上に立つ桜峠の鉄塔に出る。
●桜峠から茶野と鈴ヶ岳へ
広い尾根を右折して茶野へ向かうと、二次林下に踏み跡が続いて、石灰岩の集まるピークから登り返すと独標点で、先へ出て見通しの良い裸地を抜け、左へ回り込んだ所で四周に展望の開く茶野の山頂に着く。
来た道を戻って鈴ヶ岳に向かう。桜峠から少し急登すると、次第に尾根が拡がって踏み跡も薄くなるが、石灰岩や密な灌木を避けて、尾根芯に沿って高所へ登って行く。倒木で荒れた所もあるが、古木の目立つ二次林下を登るうちに、反射板跡地の草地から平坦になって鈴ヶ岳に着く。以前は石灰岩と灌木の間を通り抜けるのに精一杯だったが、切り開かれて山頂らしい雰囲気も出てきた。
御池谷を帰路にとり、踏み跡に沿って南東の山腹を急降下して平坦地に出た所がヒルコバで(踏み跡が薄い所は方位を確かめて下る)、道標の脇から細い溝地へ入って御池谷へ下る。溝はすぐに岩ガレの谷地になるが、左右の踏み跡を探し谷中の岩を踏んだり跨いだりして下っていく。ただしこの谷は、伏流で水流が無く、滝のような悪場も無いので安心して歩けるが、累々とした大小の岩を越え、また倒木や崩壊で荒れた所も多いので、足元には細心の注意が必要である。やがて堰堤が現れると左岸が林道になって鞍掛橋に着く。
【アプローチ】
□車・鞍掛峠から多賀分岐へ3・1キロで登山口。
■交通・近江鉄道多賀神社前駅から大君ヶ畑バス停、徒歩40分。
【その他の登山道】
〇鈴ヶ岳鞍掛峠から鈴北岳経由鈴ヶ岳
茶野/大君ヶ畑登山口から北尾根(バス停5分)
|
||||||||||||