五十名山

西南尾根から南後谷巡視路(滋賀県多賀町〕

30 高室山(たかむろやま)818m

尾根から笹原を抜けて大展望の山頂へ

高室山(釧尻山山頂突端より)
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登山口→山道→下山口
難易度 C B
安全度 B B
体力度 B B
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脇ヶ畑カルスト台地には、鍋尻山と並んでもう一つの秀峰高室山がある。台地の南北に位置する両山は、互いに山頂の広大な展望地から相手の景観を映し出しているが、鍋尻山から眺める高室山は、植林の山腹から草原に覆われた山頂をのぞかしていて、それが特徴となり人気の高さにもなっている。

高室山の登山道は、台地上へ車を運ぶと、鍋尻山同様に一時間で往復できる簡易な方法もあるが、今回は台地下の二つの集落(佐目と南後谷)から周回した。台地までの登降はかなり厳しいが、帰路は巡視路で解りやすく見どころの多い充実したコースである。多賀町から県境の鞍掛峠を越える国道の中ほどに佐目集落があり、集落を過ぎてトンネルへ入る手前の、トイレもある広い駐車場から歩き始める。

石段を上がって左へ折れると、すぐに右手から尾根の末端が現れ、テープ目印を見て古い山道から尾根に取り付く。道はないが植林下を急登し、雑木に変わって藪を分けて下り、二基の鉄塔を過ぎると明瞭な尾根道になって歩きやすくなる。やがて二次林の尾根に石灰岩が敷詰まり、岩を避けながら登るうちに、覆ってきた笹を分けると林道に出る。林道は山腹を巻いて北へ延びているが、出てすぐの所から山道へ入り、足元の切り開き道を確かめながら、深い笹とカヤトを分けて高室山に着く。

●山慣れた人なら倉骨山と丸山を巡る

四周に大展望の開く山頂から、帰路は南後谷へ下るルートをとり、来た道を戻って林道に出る。なお時間があれば、別図に記した倉骨山へも足を延ばしたい。山頂のカヤ原から尾根に出るまでが少し紛らわしいが、さほど困難ではなく、尾根に乗って二次林下を直進すると展望の良い山頂の突端に出る。林道を下って標識の立つ分岐を右折すると程なく、谷地に丸太を敷詰めた所から、林道を離れて植林の若木が育つ山腹を緩く登ると鉄塔に着く。

なおこの植林道を通り過ぎたときは、少先の送電線を潜る手前に巡視路があり、左折すると同じ鉄塔に行ける。また山慣れた人なら標識の立つ分岐を直進して丸山経由でも鉄塔に出られる。道はないが方位を確かめて歩くと、時間差はほとんどない。

鉄塔下からカヤ原の中に巡視路を兼ねた道がある。小さな陣屋の祠を過ぎ、もう一つの鉄塔を右に見て左へ回り込むと、良い道が植林の山腹に下っていて、ジグザグを飽きるほど繰り返し、小さな谷筋を渡るとようやく平坦な道になって配水池施設に出て南後谷の集落に着く。近くに設備された休憩所(つかって舎)で一息入れた後、三つに分かれた集落を眺めながら、バス停近くの佐目に出て、十二相神社を経由して駐車地へ戻る。なお南後谷へ置き車すれば四十分ほどの車道歩きは省略できる。

【アプローチ】

□車・多賀分岐から鞍掛峠へ5.8キロで登山道駐車場。

■交通・近江鉄道多賀大社前駅から佐目バス停、徒歩10分。

【その他の登山道】

◇保月から巡視路(山慣れた人向き)◇保月からザラノ尾根(山慣れた人向き)