ヤケギ谷から仙鶏尾根周回

35 宮指路岳946m

仙ヶ岳961m

小岐須から秀峰二つ(鈴鹿市)

仙ヶ岳西峰(北の県境稜線より)
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南鈴鹿と呼ばれる山域の北側は、仙ヶ岳・入道ヶ岳・宮指路岳等の秀峰が集まり、小岐須渓谷や宮妻峡を起点として、登山人気の高い一面を形成している。小岐須渓谷から宮指路岳と仙ヶ岳を周回する県境稜線のルートも、良く踏まれた登山道が続き、東海展望から仙の石にかけては、随所で好展望の拡がる爽快感溢れるコースである。但し宮指路岳南のキレット(犬帰しの険)は、滑り易いザレ場と岩場が集中している難所で、慎重なルート読みが要求されるので、山慣れた人との同行が望ましい所である。
小岐須渓谷へ入り、大石橋先の駐車場から歩き始める。少し戻って枝別れする林道から左手の堰堤を越え、谷を渡った先の分岐を左折するとヤケギ谷道になる。山腹の高巻きから沢へ降り、数回渡渉した後谷を離れ、再び山腹を急登の後、谷へ出て渡渉する。ザレた溝道から道標を見て山腹へ登り、尾根へ出るとすぐに大岩の集まる「東海展望」に着く。仙ヶ岳方向の展望を間近に眺めた後登山道に戻り、遊歩道の様な稜線を降った鞍部か登り返して宮指路岳の山頂に着く。尚途中には「三体仏岩」と呼ばれる展望の良い岩場もある。
潅木で展望のない三角点の脇から、道標を確かめて仙ヶ岳へ向かう。木の枝を掴んで急降下し、ザレた平坦地から岩峰を伝って鞍部に出ると、ここから前方の樹林の尾根に乗る迄が、このコース最大の難所で、崩壊して左右にキレットを生じた脇を、危険な岩壁に入り込まない様に注意し、左に寄りながら岩の間を越えてようやく安全な尾根道に入る。その後は所々でガレ脇やヤセ尾根を通過するが、踏み跡が明瞭で展望も良く、アップダウンを繰り返して小社峠に着く。峠から急登に変わり、樹木が減った笹の切り開きを登りきると、展望の良い仙ヶ岳(西峰)に着く。更に笹を分けて白谷分岐の鞍部へ降り、緩く登って東峰近くの仙の石に出る。ここも好展望地である。
仙の石から帰路を仙鶏尾根にとり、岩場の脇から急降下して野登山方向へ向かう。木の枝や固定ロープを頼りに、ヤセ尾根や掘れた道を降り、小さな岩峰から平坦な鞍部に出た所で「屏風岩」の道標を見て尾根を離れ、左折して植林の山腹へ入る。急降下しながら踏み跡を辿り、支沢に沿った山腹の高巻きから、仙ヶ谷へ出て渡渉すると、すぐに小社峠へ向かう道と合流する。右折して植林下の良い踏み跡を歩き、渡渉して右岸へ渡ると林道終点に着く。地道の林道を四十分程歩くと駐車場に戻る。