北尾根から桃林寺の周回

32 入道ヶ岳906m

椿岳と国見岳を巡る(鈴鹿市)

北の頭から鎌ヶ岳の展望
-----------------------------------------------------------

椿大神社から登る北尾根は、他の井戸谷や二本松尾根と比べても、優劣つけがたい良いルートである。ただ人によっては、距離が長くて時間がかかる、と言って敬遠する向きもあるが、道筋での展望が良く、言われる程の時間の差もない。但し北尾根だけの往復ではなく、他のルートで周回するのが一般的で、本項でも北尾根を往路にとり、帰路は二本松尾根から国見岳南尾根を降って桃林寺に出るコースを歩いた。国見岳以降はルート読みが必要で、山慣れた人向きともいえるが、桃林寺から東海自然歩道をのんびりと駐車地へ戻る楽しいコースである。
椿大神社の駐車地から歩き始める。案内板に従って川沿いの地道を歩き、舗装路に出た所が北尾根道の入口で、鳥居と石段の参道に並行した山道へ入る。白い札を掛けた献木の立ち並ぶ山道は、社殿の横を過ぎると細い急登道に変わるが、尾根に出ると良い道になり、すぐに椿岳の名が付いたピークに着く。その後暫く平坦で良い尾根道が続鉄塔を過ぎ巡視路の分岐尾根へ出た先から、急降下したり固定ロープを握って急登する道になる。避難小屋を過ぎると、笹と二次林の山頂部近い山腹になり、急登するうちアセビが群生し始め、樹林の下のトンネル道になる。次第に傾斜も緩んできて平坦になると樹木の切れ間から展望が開いてくる。尾根は徐々に拡がってくるが明瞭な踏み跡を辿るうちに、鎌ヶ岳の景観が圧巻の北の頭に着く。
北の頭から奥宮と入道ヶ岳の間は、他のコースとも重複するので自由に道順と時間を決め、帰路は入道ヶ岳山頂の鳥居の南から二本松尾根に入る。笹道からガレ脇を過ぎると、固定ロープの付いた急降下になるが、踏み跡は明瞭で、一直線に降るうちに避難小屋から滝谷道との分岐に出る。ここから椿大神社へは左折するが、ロープを張った脇から直進する尾根に入り、急降下した鞍部から登り返して国見岳に着く。展望のない山頂から南の尾根に入り、雑木で踏み跡の薄い所は尾根芯を外さずに降り、登り返すピークの二つ目で、埋めた赤い杭を目印にして左折する尾根に入る。ここを見逃がして直進すると、小岐須方面へ行くので十分に注意する。赤い枕の他に太い松が数本尾根上に立っている。尾根の左手が植林になり、倒木を越えると歩き易い尾根道になる。途中で小岐須へ降る踏み跡の分岐を過ぎると、明瞭な巻き道も現れ、踏み跡を辿るうちに、尾根から山腹の溝道になって林道に出る。右折するとすぐに桃林寺に着く。寺から駐車地迄は東海自然歩道が通じている。