鎌ヶ岳から県境稜線を水沢岳へ向かうと、衝立岩を過ぎた先で分岐に出て、県境は直角に左へ折れるが分岐から西へ向かって、大河原橋近く迄延びている尾根がある。尾根上には「白滝山」と「大洞の頭」があり、明瞭な踏み跡も続いている。但しこの尾根を、末端から取り付くのはかなりの長丁場なので、大河原橋から元越谷林道を歩き、白滝山の西へ接続している支尾根から主尾根に出て、県境稜線から水沢峠に降り、元越谷を戻るコース設定で歩いた。
鈴鹿スカイラインを走り、大河原から五キロ程東の大河原橋で、近くの空き地に車を置いて元越谷林道へ入る。以前は車で林道の奥迄入れたが、現在は入口近くにゲートが出来て車両は入れない。ゲートを越えて地道の荒れた林道を暫く歩き、分岐を左折すると、程なく右手にカーブミラーが現れ、道が大きく左へ曲がった後、今度は右へ急旋回する所が登山口で、道脇の木にテープ目印もある。植林下に道はないが、北東へ歩くとすぐに鹿除けネットが現れ、小尾根に出て右折し、急登するうちに歩き易い支尾根に着く。二次林と植林の境を、暫く登るとヤセ尾根になり、岩の集まる崖地を乗り越えると、良い踏み跡のある白滝尾根に出る。右折して緩く登るうちに「図根点」の標石を過ぎた先で白滝山に着く。
木立で展望のない山頂から、東へ出ると急降下になるが、尾根筋に注意して鞍部に出ると、明瞭な踏み跡のある尾根になり、途中には雨乞岳方向の展望が開く所もある。少し藪を分け、植林下に入って急登すると大洞の頭に着く。山頂から東の尾根に入り、砂ザレを越えて大岩の脚を抜けると尾根が拡がり、二次林下の広い草地(コバ地)から、笹尾根に変わるとすぐに県境の分岐に出る。右折して県境縦走路の良く踏まれた道を、鎌ヶ岳方向の展望を眺めながら歩くうちに、風化して丸い岩の林立するザレ地に出て、右手の灌木の境へ寄って登るとすぐに水沢岳に着く。
竹を伐採して東の展望が開く山頂から、馬の背渡りと称するザレ地を慎重に越えた後、急降下して鞍部の水沢峠に出て、右折して元越谷へ向かう。峠下の水場から溝道へ降ると、すぐに左右から源頭の水流が現れ、右岸に出ると谷沿いに古い道型の踏み跡があって次第に道幅も広くなる。やがて谷を離れて高巻きとなり、幾度か細い支流を渡るうちに堰堤の前に出て渡渉し、もう一度堰堤を右から越え、分岐を右折して古い階段道を登ると林道終点に出る。
