長石谷から馬の背尾根

26 鎌ヶ岳1161m

湯の峰722m

三岳寺へ降る(菰野町)

長石谷の遡行
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長石谷から馬の背尾根の周回は、湯ノ山側から登る他の組み合わせコースと比較して、長丁場になることと、下山口の三岳寺から駐車場迄の戻りが、登り坂の舗装路でかなりの労力を要するので、一般向きには少々難点がある。場合によっては三岳寺付近に置き車するとか、尾根の途中から長石谷へ降る方法もあるが、馬の背尾根ルートには、三十三観音の順路や、馬の背不動尊の立つ展望地があり、「湯の峰」の名があるピークもあって、一度は歩いておきたいコースである。湯ノ山最奥の駐車場から歩き始める。五分程降って登山口に着き、鉄橋を渡って山道に入る。長石尾根の分岐を過ぎると、堰堤先の広い河原に出て、右から高巻き道を越えて谷へ出る。長石谷は明瞭巻き道や踏み跡が少ないので、渡渉を繰り返しながら、谷中や谷淵を遡行して行く。本流を離れずに一時間程歩くと、支流の合流点に出て「犬星の大滝」に着く。大滝を過ぎると、谷幅が拡がって明るくなり、敷き詰まった岩も大岩が減って歩き易くなる。細くなった水流がゴーロ状の涸れ谷に変わった後、谷を離れて灌木や笹下の岩道を急登し、登山道に出て鎌ヶ岳の山頂に着く。
何時来てもハイカーで賑わう山頂から来た道を戻り、笹の切り開きを抜けて岳峠を過ぎ、尾根の道からカズラ谷へ向かう宮妻分岐に出る。右折する掘割り道を分けて左へ直進し、低い尾根へ入ると雲母峰へ向かう尾根道になる。明瞭で歩き易い二次林下は、すぐに固定ロープを掴む急降下になり、風化した岩やザレ地の続く難路になる。ザレ場を過ぎて尾根が平坦になると分岐に出て、三岳寺の道標を見て左折すると馬の背尾根になる。道はすぐに樹木が途切れて展望の良い草地に出た後、ヤセ尾根になって、風化し崩壊したザレ床が多くなる。尾根上は良い踏み跡があって楽に歩けるが、尾根の分岐が幾度も現れるので注意する。降るうちに直進しやすい分岐に出た所で、テープの目印を確かめて右へ回り込むと、明瞭な尾根になり、すぐに「湯の峰」に着く。山名札も展望もなく、山頂下に巻き道も通っていて、知らずに通過しそうであるが、その先で大岩やザレ地の鞍部を過ぎ、更に二つのピークを越えると、三岳寺に向かう急な降りになる。途中の直進しそうな所でテープ目印に注意して降ると、馬の背不動尊の石像が建つ展望地に出る。更にザレた尾根を降ると、御在所岳の展望が拡がる三十三観音石仏順路に着き、石仏の祠が並ぶ階段道から、三岳寺の境内に出て駐車場に戻る。