国見尾根から裏道登山道

21 国見岳1165m

不動谷から国見尾根(菰野町)

国見岳近くの奇岩「石門」
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御在所岳の登山道では、北谷沿いを国見峠へ登る裏道登山道が、安全性と湯の山のバス停やロープウエイに近い点で、最も多く歩かれるようである。登山者に混じって、ロープウエイで登り、裏道を歩いて降る人だけでも相当な数である。そして御在所慣れしてくると、北隣りの国見岳へも足を向けたくなる。国見峠から等距離で歩けるうえに、展望や奇岩の見所が多く、御在所岳と一味違ったハイキングが楽しめる。それに裏道と組み合わせて国見尾根の周回も可能で、変化に富んだコース設定も出来る。但しいずれも岩道や急傾斜道に終始するので、時間に追われて歩くのは禁物である。従って、本項は国見岳だけの周回である。
鈴鹿スカイラインに入り、蒼滝トンネル西の駐車場から歩き始める。トンネルを滑って東へ出た所の舗装路が裏道登山道で、鉄橋等で整備された良い道が続いている。日向小屋を過ぎて右岸へ移り、岩道を一歩きして藤内小屋に着く。小屋の敷地を通って裏に出た所が分岐で、往路にとる国見尾根は、右折して北谷を渡り、右手から合流する谷の右岸に沿った山道に入る。腰越峠へ向かう分岐を過ぎて一度谷を渡り返し、二股谷を左へ移るとすぐに、固定ロープを使って岩肌を急登して不動明王の祠に出る。正面には不動滝が見えている。祠からもう一度急登して小滝の前に降り左の谷へ移る。谷と言っても水流は見えず、ゴーロ状の岩ガレ上を、浮き石に注意して岩を踏みながら登り詰めると、国見尾根の鞍部に出る。尾根を右折すると再び急登になり、固定ロープや木の根を掴んで、身体を持ち上げて歩を運ぶ。傾斜が緩み周期の展望が開いてくると、奇岩の「ゆるぎ岩・天狗岩」に着く。岩の間に出ると藤内壁の景観も間近い。岩を過ぎやがて道が平坦になって樹林下に入り、県境の尾根分岐を右折するとすぐに国見岳に着く。
岩に囲まれた好展望の山頂から、来た道を戻って国見峠に向かう。尾根分岐の手前にこれも奇岩の「石門」があり、立ち寄って岩を潜ってみるのも楽しい。分岐を過ぎるとすぐに、展望の拡がるザレ地に出て、岩の間を梯子で抜ける。もう一度ザレ地に出た後、笹を切り開いた講地から大きな看板の立つ国見峠に出る。直進すると御在所岳の道で、左折しての切り開きを降ると、すぐに岩の多い谷沿いになる。明瞭な道が無く岩を踏んで降るので、足元に注意しながら、岩に記したマークや道標を目印に歩く。藤内壁の出合分岐を過ぎ、橋を渡って右岸に移るとすぐに藤内小屋に着く。小屋から往路を降って駐車場に戻る。