朝明から県境稜線縦走

17 水晶岳954m

金山906m

羽鳥峰850m

根の平峠から羽鳥峰峠(菰野町)

金山(中峠入口にて)
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朝明渓谷は南隣の湯ノ山と並んで、鈴中部の重要な登山基地で、御在所岳や釈迦ヶ岳へ向かう県境稜線のほか、愛知川へ降る4本のルートを持ち、周辺には幾つかの手頃な山もある。朝明から根の平峠と羽島峰峠を繋いで、県境稜線上の水晶岳・金山・羽鳥峰を周回するコースもその一つで、良く踏まれた登山道と、随所に好展望地があって初心者でも楽しく歩ける。但し峠に出る迄には、かなりの急登や岩道があり、稜線上は笹が切り開かれて、以前より歩き易くなったものの、依然として深い笹分けや滑り易い溝道も多いので、大雪や大雨の直後は、身体が濡れるので避けた方が無難と思う。国道から朝明渓谷に入り、ヒュッテ前の駐車場から山手へ歩き始める。伊勢谷小屋を過ぎた先で、分岐を左折すると根の平峠へ向かう道で、川を渡って舗装路の林道へ入る。車止めゲートの先から地道に変わり、幾度か足を濡らして谷を渡るうちに、荒れた林道が山道になり、最後の渡渉で谷を離れた後、涸れ沢の岩道を、岩を階段にして急登しながら根の平峠に出る。四方に登山道の交差する峠を右折すると県境縦走路で、平坦で歩き易くなるが笹の間の切り開き道になる。溝道を出たり入ったりしてピークに出ると、東にガレが続いて展望が開き、再び深い溝に入るとT字分岐に出る。下を向いていると見落としそうな分岐を左折すると、良い踏み跡があってすぐに無人測候所の建つ水晶岳に着く。
四方に展望の拡がる山頂から分岐へ戻り、左折して金山へ向かう。笹の切り開きを降った鞍部が中峠で、緩い登りに転じて笹を分け、溝道からピークを一つ越えた後、ガレ脇の展望地を過ぎると、樹林に入った高所が金山である。展望もなく知らずに通り過ぎそうな山頂を降り、尾根下の巻き道からガレ地に出ると、再び展望が開き、笹を切り開いた縦走路が続く。やがてよく振れた溝道を抜けると草地に出て、その先でザレた斜面を降ると羽鳥峰峠に着く。峠のすぐ北に砂山の羽鳥峰があり、峠から降る山道と、羽鳥峰の先から降る林道のいずれかを歩いて朝明へ戻る。尚二つの道の様子は「二子山」の項参照。
【中峠道】根の平峠と羽鳥峰峠の間に中峠道がある。この道は朝明から愛知川へ降るルートとして主に歩かれているが、砂防学習ゾーンを過ぎた先で、中峠の道標を見て分岐へ入り、河原を渡ると堰堤の先から谷沿いに踏み跡がある。滝の左からガレ谷を登ると、岩道が掘れた溝道に変わって中峠に出る。