松尾尾根から水無谷東尾根

16 釈迦ヶ岳1092m

好展望のガレ場歩き(菰野町)

大ガレの上端を慎重に通過する
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ハイキングコースの多さでは鈴鹿山地有数の釈迦ヶ岳であるが、朝明渓谷から登る庵座谷や県境稜線と並んで、「松尾尾根」も人気の高いルートで、案内書でも多く紹介されているし、実際によく踏まれた尾根道が続いている。但し急登の連続で、往復共に歩くのは体力的にきつく、座谷等と組み合わせるケースも多いが、その場合は下山口から駐車地迄の車道歩きが長いという難点がある。その点で今回紹介する「水無谷東尾根」は、駐車地のすぐ近くに下山する利点があり、松尾尾根に勝るとも劣らない尾根道もある。但し途中に出てくる幾つかの分岐を間違えると、尾高高原方向に下山するので、多少のルート読みは必要である。
国道306号線から朝明渓谷に向い、水無バス停脇の最近新設された休憩所の駐車場から歩き始める。五分程山手に歩き、大きな看板がないと見落としそうな細い切り開きから山道に入る。踏み跡を登るとすぐに尾根道になり、良く踏まれた溝道の急登になる。尾根の両側は深い谷となり、密生する常緑樹で薄暗い。やがて笹が深くなると小岩も増えてきて、岩尾根と笹尾根が交互にやってくる。高度が上がってくると、三角形の大岩を抜けたり、固定ロープで岩塊を乗り越える所もあって緊張するが、岩が減り笹を分けて急登するうちに尾根の分岐に着く。ようやく平坦になって主尾根に出て、左折して笹の間を抜けると、西側にガレ場が現れ視界が開いてくる。ガレた岩場を過ぎると更に巨大な「大蔭」と呼ばれる崩壊地の上に出て、慎重に通過した後山腹を急登して松尾尾根頭に着く。
広い空き地があって好展望地なので、大勢の時は昼食や休憩に良く、ザックを置いて釈迦ヶ岳を往復する。
北西に展望の開く山頂から、来た道を戻って松尾尾根から帰路につく。山腹の急降下から崩壊地を抜け、尾根分岐に着いた後「尾高コース」の道標がある左の尾根に入ると、踏み跡は笹に埋もれて薄くなるが、松尾尾根より傾斜の緩い尾根道が続いている。固定ロープで岩壁を降る所を過ぎると、歩き易い尾根道になる。但し尾根に接続して、藤原谷・焼合谷・自他ヶ峰等へ降る分岐があるので、南へ降る尾根を外さない様に注意する。尾根を辿るうちに、左手に黒々とした植林が現れ、尾根も拡がってくるが、溝道の踏み跡と数多いテープ目印で解り易く、自然林と植林の境を過ぎて植林下に入った後、舗装路の林道に出て、左折して降るうちに駐車場脇の車道に出る。尚逆コースで歩く時は、右手の植林が雑木林に変わる所に赤テープの目印がある。