岩ヶ峰尾根から段木尾根

15釈迦ヶ岳1092m

岩ヶ峰920m

段木900m

好展望の岩尾根周回(菰野町)

岩ヶ峰(釈迦ヶ岳北の県境稜線より)
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広い山域を持った山には、その山を形成する尾根の中で、一際目に付く峰を隆起させて、独立峰のように山名の付いた山がある。岩ヶ峰・段木・北山もその様な山で、釈迦ヶ岳の北側東面の尾根上にあって、県境稜線から眺めると、いずれも岩峰を伴い、迫力のある山容を見せている。本項は岩ヶ峰尾根を登って段木尾根を降る周回で、いずれの尾根も、岩を巻いたり乗り越えたりを繰り返すが、随所で展望が開き、植林が少なく季節感を味わえる、充実したコースである。
国道から八風渓谷へ向い、八風キャンプ場駐車場の少し先で、橋を渡った所の空き地に駐車して歩き始める。橋のすぐ右から栃谷沿いの林道に入り、五分程歩いた左手の、木立が途切れて谷が見える所で、道脇の岩の間を抜けて谷を渡る。
植林下になって、窪地の右に付いた道を登るうちに尾根の鞍部に出て、右折して急坂を上ると、明瞭な尾根道になる。ここから先は尾根通しで道筋は解り易いが、砂質のザレや岩の乗り越しが多いので、ルート選択に注意して歩く。最初は藪椿等の常緑樹で薄暗い尾根も、右からの尾根に合流すると、ガレ地の上に出て展望が開いてくる。標示もなく気づきにくいピークの北山を過ぎ、次のピーク辺りから、右手に三角錐の「鏡岩」が木の間越しに見えて来る。登るうちに難所の岩壁下に出て、左に壁を避け、木の根や枝を掴んで急登して岩ヶ峰に着く。シャクナゲの群生する山頂を過ぎると、尾根が拡がって二次林の拡がる平坦なコバ地に出る。近くには左右の谷へ降る踏み跡もあり、その先でもう一度急登して県境稜線に出て、左折して縦走路を一登りし釈迦ヶ岳の山頂に着く。
釈迦ヶ岳から、時間があれば松尾尾根頭にも立ち寄り、来た道を戻って帰路につく。良く踏まれた登山道を降り、深くなった笹道を、アップダウンしながら幾度かガレ脇を通り、岩を置いた広いガレ場の、その先のガレ場を過ぎた所で、縦走路を離れて笹を分けて右に寄り、ドーム状の岩峰の、段木へ降る尾根を確かめて、山腹から岩尾根に降り、灌木帯の尾根に入って急降下の後、岩峰を登って段木に着く。段木の先も岩尾根やヤセ尾根が続くが、一カ所だけ紛らわしい尾根の分岐を右に取ると、次第に道が安定して歩き易くなる。程なく左下に堰堤や林道が見え始め、尾根の末端に来て山腹を左から右へ回り込み、滝ヶ谷の出合にある大きなナメ滝の下部で、左へ戻って谷へ降り、低い土手を登って林道に出て、右折して駐車地へ戻る。