尾高山から釈迦ヶ岳東尾根

14 釈迦ヶ岳1029m

尾高山533m

積雪期向きルート(菰野町)

釈迦ヶ岳(尾高山より)
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釈迦ヶ岳東麓の尾高山から、山頂直下迄ほぼ一直線に競り上げている尾根がある。一般に釈迦ヶ岳東尾根と呼ばれているが、尾高山から尾根に乗ると、さほど複雑な分岐もなく、山頂脇に出ることが出来る。但し数多くのピークと、木の根を掴んで登降する急傾斜が幾度も現れるので、体力勝負のルートとも言えるが、このルートの特徴は、朝明渓谷へ車でアプローチする必要がなく、尾高観音口の車道から歩けるので、特に積雪期は好都合で、冬期に恒例的に歩く山の会もある程の、人気の高いコースでもある。
国道から尾高高原へ向かい、観光案内板の立つ広い駐車場から歩き始める。尾高観音から尾髙山迄は、行者コースと呼ばれる道で、観音堂の左から登山道に入り、展望の良い東家を過ぎ、固定ロープの付いた山腹を抜けると、後は歩き易い良い道が尾高山の山頂迄続いている。山頂から北側の切り開きへ入り、踏み跡を西へ回り込むと明瞭な尾根道になる。急な降りで鞍部に出て登りに転じ、大岩や尾根下を巻くうちに尾根がヤセてきて、ザレた床に木の根が這う細道になる。困難する程の悪路はなく、尾根が拡がった山腹で、岩壁が行く手を塞ぐ所も、テープ目印と踏み跡が付いている。高度が上がると笹が現れ、岩塊を急登で巻いて乗り越した(標高700m)辺りから、冬期には積雪が多くなり、小刻みな急登からピークに出て、再び急登になる繰り返しが続く。雰囲気の良い二次林も、次第に細く捻れた常緑樹に変わり、木の根を掴んで登り詰めると、ようやく平坦な県境稜線に出て、右折するとすぐに山頂に着く。東の一画に展望の開く山頂から道を戻り、直進すると大展望の拡がる松尾尾根頭も近い。一息入れた後尾根の取り付き口に戻って帰路につく。
帰路は往路の急登が急降下に変わるので、登り以上に足元に注意して慎重に降る。岩壁を回り込む所を過ぎると、登りでは気の付かない分岐の尾根があり、迷いやすい所が二カ所出てくるが、いずれも右をとると正規のルートに出て、最低鞍部から登り返して尾高山に戻り着き、更に駐車場迄一歩きする。
尚このコースは積雪期向きと前述したが、雪道は先頭者がラッセルして進むので、雪の量によって大幅に歩行時間が違ってくる。従って冬期の山行は、時間制限をして途中で引き返す状況判断も必要である。また、行者コースより距離の短い「見晴しコース」や「長坂コース」も、エスケープルートになる。