長坂コースから焼合谷を戻る

13尾高山533m

迫力ある二滝の鑑賞(菰野町)

迫力ある女郎滝の景観

-----------------------------------------------------------

釈迦ヶ岳の東麓で、朝明川から宇賀川にかけて扇状に拡がる尾高高原は、キャンプ場や別荘、そして三重県民の森があって、夏ともなると行楽客で賑わうリゾート地になっている。尾高高原から釈迦ヶ岳を結ぶ尾根続きの尾高山には、幾筋もの登山道が拓かれ、展望が良くて二時間もあれば楽に往復出来るので、行楽の家族連れにも人気の高い山であるが、少歩き慣れてきたら、尾高山から隣接する焼合谷へ降り、二つの滝を鑑賞しながら周回するコースもある。但しこの場合は、焼合谷林道続きの長坂コースから登るのが、行者コースより短時間のうえに車道歩きが少ないので好都合である。
尾高観音東の駐車場を南に少し走り、老人ホームやすらぎ荘の横から尾高キャンプ場に向い、キャンプ場を過ぎて蛇行する道が直線になる所の、配水池がある付近の路肩に車を置いて歩き始める。長坂コースの道標を見て中に入ると、ゴルフ場のような芝地沿いに木の階段道があり、タイル床の一面を過ぎた所で、前方に立つ道標に近づくと、そこから登山道の山道が続いている。道は細いが明瞭な踏み跡があり、平坦な尾根道が急な溝道に変わるとすぐに、左右から登山道が合流する分岐に出て、右折してよく踏まれた常緑樹の下を登ると、一歩きで尾高山の山頂に着く。
小広い草地には鉄製の展望台が立ち、四周の展望を楽しんだ後、北側の細い切り開きから、釈迦ヶ岳に通じる東尾根に入る。谷淵に沿って左へ回り込み、尾根道となって鞍部迄降る。大岩を巻いて登りに変わった後、南からの尾根と合流した所で平坦になり、もう一度岩を巻いた先で、黄色のテープを目印にして尾根を離れ、谷地へ降り平坦になった所で直線に降る溝道に入ると焼合谷に出る。
谷へ降りたすぐ脇に、落差は低いが二条になって落ちる「女郎滝」と名の付いた迫力のある滝がある。滝を鑑賞後岩の散乱する谷床を、足元を選びながら帰路につく。少し降ると人工物の石垣が現れるが、近くには窯跡も多く、炭焼きの盛んだった頃は、人の行き来で賑わった谷の雰囲気が偲ばれる。谷中を歩くうちに、右岸の巻き道に出て谷を離れ、再び谷から巻き道に入って谷へ戻ると、堰堤と広い河原に出て、階段道で堰堤を越えると林道終点に着く。谷歩きの緊張から解放された気分で地道の林道を戻ると、すぐに「魚止の滝」があり、階段道を滝下迄降りて鑑賞する。その後長坂コース入口の駐車地迄一歩きして戻る。時間があれば尾高キャンプ場の周辺や家族村の建物付近を散策するのも楽しい。