ホタガ谷西尾根から中道

8 竜ヶ岳1099m

宇賀渓口から最短距離(大安町)

竜ヶ岳(静ヶ岳の山頂より)
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樹木のない笹原の山頂部は、汗を流して登った後だけに、格別な爽快感があって、それ迄の疲れを忘れさせてくれる。霊仙山雨乞岳そして竜ヶ岳がその様な山で、中でも竜ヶ岳は、笹原の切り開きが、登山道というよりも遊歩道の感じで誰でも安心して歩ける。竜ヶ岳の登山道は、宇賀渓口から登る三ルート(表道・中道・裏道)が一般的であるが、その他にも幾つかのルートがあり、今回紹介したホタガ谷に沿って延びる尾根(ホタガ谷西尾根と仮称)も、部分的な急登や岩尾根はあるが、快適な二次林の道もあって、さほどの困難もなく歩ける上に、裏道や中道より短時間で歩けるのも魅力で、もっと歩かれてもよいルートと思う。尚帰路は中道を降って周回した。
宇賀渓口の駐車場(有料・無料)から歩き始める。北河内橋を渡って林道へ入林道終点から奥の遊歩道に降りて吊り橋を二つ渡り、魚止滝の分岐の先で、固定ロープの付いた岩壁を乗り越え、続いて岩道の上に出た所で、道標はないが明瞭な分岐を見て、直進する平坦な遊歩道を分けて急な登りの尾根道に入る。尾根上には明瞭な踏み跡があり、所々の薄い分岐は、いずれも尾根に沿った登りの道をとる。この尾根の特徴は、急傾斜と平坦地が交互に現れるので、平坦地で一息入れながら、蛇谷へ降る分岐を過ぎ、岩尾根を急登すると、尾根が拡がってきて、何処でも歩ける平坦な林になる。やがて右手に鬱蒼とした植林帯が現れ、そこを過ぎると、コース最大の難所である岩塊の集中する岩尾根になる。御池岳の急斜面に似た岩場を、左を巻いて越えると、尾根が拡がりの楽園のような笹原に変わる。低い笹は何処でも歩けるが、踏み跡を見つけて効率よく歩き、やがて正面が背の高い笹原に変わった所で、視界も踏み跡も消える笹に潜り、高所の北西方向に突進すると、明るく広々とした山頂部の登山道に飛び出る。左折して広い笹の切り開き道を、山頂迄一望出来る登山道を登って竜ヶ岳に着く。
地を丸く切り開いた好展望の山頂から、帰路は中道をとって東の踏み跡へ入る。展望の良い笹道から樹林下の岩道に変わり、山腹のガレに沿った道を降ると尾根道になり、小岩の多い踏み跡をジグザグと降って、ガレた涸れ沢からヨコ谷へ出る。堰堤の連続する谷は、谷沿いに巻き道があって沢歩きはないが、岩壁をロープで降ったり、堰堤に付いた鉄梯子を垂直に降ったりとかなり緊張するが、最後の堰堤の前で左折して山腹へ入り、五階滝の手前で遊歩道に合流し、左折して林道終点に出て駐車場へ戻る。