茨川から西尾根・伊勢谷周回

6 藤原岳1145m

滋賀県側から登る(永源寺町)

藤原岳西尾根(二次林のコバ)
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花の名山で知られる藤原岳は、人里近い三重県側に、登山道が開けるのは当然として、近年滋賀県側の林道が御池岳や藤原岳近くに延び、西側からの日帰りも楽に出来る様になった。その場合最も近いアプローチが茶屋川林道で、今回のコース設定も、林道終点の茨川から西尾根を登り、治田峠から伊勢谷を戻って周回した。蛇谷迄の茶屋川遡行は悪場が少なく、西尾根も二次林の雰囲気が大変良い尾根で、治田峠迄の県境縦走路もそこそこに歩き易い。但し伊勢谷は倒木や崩壊で歩きにくく、茶屋川も増水時は河原歩きが大変で、巻き道へ入るとかなり時間は増える。それに茶屋川林道は荒れた地道が長く続くので、車の運転者はかなりの忍耐が必要である。
神崎橋の東から茶屋川林道へ入り、地道を延々と走って終点の茨川廃村から歩き始める。西尾根に取り付く蛇谷出合迄は茶屋川歩きで、山岳小屋の左から古い道を通って川に出た後、水流のない河原を、所々で渡渉しながら遡行していく。新緑や紅葉の時期は、格別に雰囲気の良い河原歩きも、増水で水量の多い時は、渡り返しが大変なので左岸の巻き道をとる。川が大きく南へ蛇行する所の二股谷が蛇谷出合で、道標を確かめて尾根に取り付く。薄い踏み跡を辿って尾根に出ると、尾根下に明瞭な道が続き、左手の尾根道と合流した後、二次林に覆われた平坦なコバ地に入る。快適な平地を過ぎると尾根筋になり、藤原山荘へ向かう山腹道を分けて尾根を直登すると、すぐに石灰岩や捻れた潅木帯に入り、急登して抜け出ると藤原岳(展望丘)に着く。
好展望の山頂から、治田峠の道標に沿って、笹と石灰岩の覆う細道に入ると、すぐに明瞭な踏み跡が現れる。ここから治田峠迄は県境縦走路で、テープ類の多い道が稜線を少し下がった山腹に続き、孫太尾根のピーク(多志田山)をかなり下で巻いた後合流して、尾根に乗ったり巻いたりしながら分岐に出て、直角に左折して左の尾根を降ると、登降しながら治田峠に着く。銚子岳方向へ向かう県境路を離れ、右折して植林下をジグザグと降ると、伊勢谷の源頭部に出る。昔は茨川から伊勢の新町へ通じた生活道路も、歩く人もなく荒れるがままの感じで、谷沿いに薄い踏み跡はあるが、倒木や崩壊箇所が多く歩きにくい。それでも時間をかけながら降るうちに、谷幅が少しずつ広くなり、最後に倒木の集中する山腹を慎重に越えると、堰堤横から造成したばかりの林道終点に出る。谷沿い道と落差の大きい広々とした林道を、僅かに歩くと茨川の駐車地に着く。