白倉谷林道から綿向山南東尾根

95 綿向山1110m

祝ヶ岳964m

大峠から展望の稜線(土山町)

祝ヶ岳(綿向山南東尾根より)
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御在所岳から綿向山にかけて、県境稜線と直交して長い尾根が走っている。尾根上には鈴鹿山地第二の高峰・雨乞岳があり、長丁場になるが日帰りの縦走も不可能ではない。但し一般的には、尾根沿いを通る鈴鹿スカイラインや、甲津畑と朝明を結ぶ登山道から歩くのが主流で、本項の祝ヶ岳から綿向山の周回もその一つである。比較的短時間で歩けて、展望等の見所も多いが、山慣れた人がいないと、ルート読みで手こずりそうである。鈴鹿スカイラインを走り、野州川ダム上流近くの、深山橋の東から白倉谷林道へ入る。(橋の脇にも駐車場がある)地道林道を六キロ弱走り、焼尾谷の谷水が路上を流れる手前の空き地に駐車して歩き始める。山手に向かうと次第に荒れてきて、山肌が崩壊する所から細い山道になる。両方に堰堤のある二股谷から右手の堰堤上に出て、三つ目の堰堤を越えた所から、両側の小谷の間を、薄い踏み跡をジグザグと急登して大峠に出る。左折して稜線上の踏み跡を登り、展望の開くガレ縁から、低い潅木の山腹を急登して、木立の中の祝ヶ岳山頂に着く。

三角点の西から綿向山に向かってヤセ尾根を降り、尾根が拡がってピークを越えると、笹やカヤトの展望の良い草地になる。正面には綿向山の山塊が競り上がっている。草地から樹林下に入って抜けると、再び笹原の広い尾根になり、笹に覆われた踏み跡を外さない様に、注意して歩くうちに切り開いた良い道に出て、一歩きで綿向山に着く。尚山頂のすぐ東側斜面には、ブナの原生林があるので、時間があれば立ち寄ってみたい。

何時もハイカーで賑わう山頂から、帰路は尾根の切り開き道を南へ向かう。すぐに道が樹林に入って降る所で、石柱の脇から左の笹原へ入る。笹を分けて南へ降ると、左から来る尾根に出るが、更に南へ笹原を降った所が目指す尾根で、コバ地の様な平坦な草地に着く。石柱からここ迄が解りにくいが、草地から先は明瞭な尾根になり、ほぼ一直線で南東へ降っている。二次林下の尾根を緩く降り、尾根の分岐を過ぎると、潅木を分けるヤセ尾根から、尾根が拡がってきて二重山稜の様な溝地を通り、植林と雑木の境から、防護壁を施したガレを右巻きして尾根に戻った所で、右に付いた杣道から、植林下をジグザグと降る。途中に固定ロープを付けたガレの通過があって緊張するが、その先は一本道で降るうちに、駐車地脇の林道に出る。尚尾根をもう少し歩き、モミの古木が立つ所から支尾根を急降下するルートもある。